沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
新装のダートGI、チャンピオンズカップ。
充実の日本勢か、王国からの刺客か?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/12/06 08:00
デビューから12戦、すべてダートのレースを使われているコパノリッキー。父ゴールドアリュールもダート界に君臨した名馬だったが、ジャパンカップダートは手にすることができなかった。
牝馬初のダートGI制覇なるか?
末脚の鋭さでは、前走の武蔵野ステークスで最後方から直線だけで前をまとめてかわしたワイドバッハ(牡5歳、父アジュディケーティング、栗東・庄野靖志厩舎)も負けていない。コパノを意識する馬が多くなってペースが速くなれば、前走同様、大外一気で丸呑みというシーンも充分あり得る。
ダート戦はパワーがものを言うためか、これまでJRAのダートGIを制した牝馬はいない。
紅一点のサンビスタ(牝5歳、父スズカマンボ、栗東・角居勝彦厩舎)が勝てば、史上初の快挙となる。この秋、ラキシスでエリザベス女王杯、エピファネイアでジャパンカップを制している「世界のスミイ」の管理馬というだけで、怖い。
3連勝中のインカンテーション、このレースで2年連続3着のホッコータルマエ、一昨年の覇者ニホンピロアワーズなどもそこそこ来そうだ。
ということで、結論。
◎コパノリッキー
○ワンダーアキュート
▲インカンテーション
△インペラティヴ
×ワイドバッハ
下級条件まで含めたJRAのレース全体を見わたすと、数のうえでは芝よりもダートのほうが多い。しかし、JRAの競馬場で行われるダートGIは2つのみ。うちひとつのフェブラリーステークスは、ドバイワールドカップへのステップレースとしてステイタスを保っている。それに対し、こちらのチャンピオンズカップは、舞台が2000年から'07年までは東京ダート2100m('02年のみ中山ダート1800m)、'08年から'13年までは右回りの阪神ダート1800m、そして今年から中京ダート1800mへと変わっていることが示すように、レースそのもののスタイルが確立されていない。ということは、ここを勝つことのステイタスや評価も定まっていない、ということになる。
クロフネ、カネヒキリ、ヴァーミリアン、トランセンドなど、過去の勝者として名を連ねる名馬のためにも、「チャンピオンズカップ」が長寿のGIとなり、勝ち馬がさらに大きな栄誉を得られるようになってほしい。
その意味でも、今年のレースが、見ている私たちを震わせるほどの激戦になることを期待したい。