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JC制覇エピファネイア、世界最強へ。
掛かっても突き抜けた「圧勝」の裏側。
posted2014/12/01 11:15
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
多くのファンが「勝つ可能性がある」と思っていたことは、単勝8.9倍の4番人気という支持が示していた。しかし、どれだけの人が、これほどの圧勝劇を予想していただろう。
超豪華メンバーの競演となった第34回ジャパンカップ(11月30日、東京芝2400m、3歳以上GI)を制したのは、クリストフ・スミヨンを背にした昨年の菊花賞馬、エピファネイア(牡4歳、父シンボリクリスエス、栗東・角居勝彦厩舎)だった。
ゲートがあいて、まず飛び出したのは14番のサトノシュレンだった。12番のタマモベストプレイが2番手、エピファネイアは引っ張り切れないほどの手応えで3番手の内につけた。
「パドックでも入れ込んでいたし、乗ってからも興奮気味で、馬場入りのときは落とされるかと思った。2、3番手で我慢し、コーナーごとに抑えようとしたが、実はそれもままならないほど、前に行きたがっていた」
スミヨンがそう振り返るように、エピファネイアは道中ずっと掛かり気味のままレースを進めた。
3連覇を狙うジェンティルドンナに生じていた異変。
3連覇を狙う1番人気のジェンティルドンナは、エピファを4、5馬身前に見る馬群の内で折り合っているように見えた。しかし、騎乗したライアン・ムーアは、その走りに不安を感じていた。
「馬場がゆるく、地面を上手くグリップできていなかった。仕上がりはよかっただけに、昨日の雨が残念です」
3番人気のジャスタウェイは、そのジェンティルの2馬身ほど後ろの内埒沿いにポジションをとった。手綱をとった福永祐一が、「道中はスムーズで、直線を理想的な迎え方をすることができた」と話しているように、いつでも突き抜けられそうな雰囲気だった。