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ホッコータルマエが“砂の王”に!
初開催のGIで問われた適応力。
posted2014/12/08 11:20

ジャパンCダートでは2年連続3着、今年2月のフェブラリーSでも2着とあと一歩のところで勝ち星を逃していたホッコ―タルマエだったが、念願の中央GI初制覇となった。
text by

島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
「星の数よりメンコの数」というやつだろうか。
12月7日に中京競馬場で行われたチャンピオンズカップ(3歳以上、GI、ダート1800m)を制したのは、ここ中京のほか、ドバイ、川崎、盛岡など15もの競馬場で戦い、中央・地方合わせて重賞9勝を挙げていた歴戦の雄、ホッコータルマエ(牡5、父キングカメハメハ、栗東・西浦勝一厩舎)だった。
スタート直後、1番人気コパノリッキーがつまずき、立ち遅れる。
ゲートがあいた次の瞬間、2012年の改修以降最多の4万4461人を呑み込んだスタンドがどよめいた。今年ダートGIを3勝し、1番人気に支持されていたコパノリッキーがつまずいて、立ち遅れたのだ。
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上り坂の途中にゲートがある中京ダート1800mでは、このように、滑ったり、つまずいたりする馬がときおり見受けられる。それに加え、コパノリッキー自身、スタートが上手なほうではないので、ある程度予想された形ではあった。
「ゲートで扉を蹴っていました。前半でポジションをとれず、1、2コーナーで他馬と接触してしまいました」
そう話した田辺裕信は、無理に挽回しようとはせず、じわっとコパノリッキーを促し、中団にとりついてレースを進めた。
ハナを切ったのは、ライアン・ムーアが乗るクリノスターオーだった。「思っていた以上にいい位置がとれた」と言う幸英明が手綱をとる2番人気のホッコータルマエは、そのやや外の2番手につけた。
ダート王国のアメリカから参戦したインペラティヴは首を高くし、ケント・デザーモが手綱をしごいてもなかなか前に進んで行こうとしない。