日本馬の大将格は圧倒的な充実ぶり。

　迎え撃つ日本馬の大将格は、フェブラリーステークス優勝をはじめ、今年ダートGI4戦3勝2着1回と圧倒的な強さを見せているコパノリッキー（牡4歳、父ゴールドアリュール、栗東・村山明厩舎）だ。

　フェブラリーステークスは出走馬16頭中最低人気での勝利だった。つづく船橋のかしわ記念を好位から抜け出す横綱相撲で完勝し、一発屋ではないことを証明。次走の帝王賞こそワンダーアキュートの2着に敗れたが、前走のJBCクラシックをコースレコードで逃げ切った。

　逃げても好位からでも競馬ができ、枠が内でも外でも走る。フェブラリーステークスからコンビを組むようになった田辺裕信と手が合うのも強調材料だ。ここ2走は2000mだったが、今回は距離が1ハロン短くなる。

「2000mだと若干行きたがるので、1800mのほうが気持ちは楽」と田辺。

「ここまで順調に来て、いい状態でレースに臨めると思います」と村山調教師も臨戦態勢に自信を持っている。

　おそらく、逃げるか、好位からレースを進めるこの馬を、後ろに控えるほかの有力馬が目標にし、仕掛けのタイミングをはかる……という攻防になるだろう。

8歳でも末脚は衰え知らずのワンダーアキュート。

　後ろからズドンと差して来る馬のなかで、もっとも鋭い決め手を持つのは武豊が操るワンダーアキュート（牡8歳、父カリズマティック、栗東・佐藤正雄厩舎）か。

　昨年までこのレースで3年連続2着。ただ一頭の、JRAの同一GIで3年連続銀メダルという微妙な「記録」の保持者なのである。

　休み明けだったJBCクラシックはコパノリッキーの3着だったが、前述したように、帝王賞でコパノを差した末脚の切れは天下一品。8歳でも衰えを感じさせないが、やはり、ここがラストチャンスだろう。

　中京で走るのは5年ぶりで、2012年にリニューアルされてからは初めてになる。が、東京に次ぐ2番目に長い410.7mの直線は、この馬の爆発力が生きる舞台であることは間違いない。好勝負になりそうだ。

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