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チームが不調だと1トップは好機!?
岡崎慎司、代表40点目の「真実」。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAFLO
posted2014/11/26 16:30
テクニカルな、それでいて泥臭い代表40得点目は、実に岡崎慎司らしいゴールだった。岡崎は現在歴代3位。2位の三浦知良が55点、1位の釜本邦茂の75点に追いつくことはできるだろうか。
「チームが苦しいときほど、1トップにはチャンス」
快勝したホンジュラス戦をもとに日本を研究してきたオーストラリアは、攻守の切り替えのポイントとなる長谷部にマンマークをつけた。「僕がDFラインに入ってもマークがついてきたので、効果的なパスを出せなかった」と本人も相手の策に苦しんだと語っている。チームとしての前線からの守備もはまらず、球際でも競り負け、セカンドボールも拾えない。日本は苦境に立たされていた。
しかし、岡崎は今日こそが絶好のチャンスではないかと感じていた。
「チームとしてはうまく行っていなかったかもしれないけど、シンプルにロングボールを蹴ってくれる形が多かったから、そこで自分の役割ができると思っていた。チームがうまく回っているときは、1トップもクサビのパスを受けたりして機能はしていたと思う。でも、それでは最後のところでゴールを決めるのが難しくなる。
逆に、チームが苦しいときほど1トップにはチャンスが来るんじゃないかな。近いところへのパスがとられるとなれば、遠いところを見てくれるようになる。そういうときに僕が裏へ抜ければ、チャンスになる。裏に抜けて一発決めれば、チームは楽になるから。
ただ、日本ではそういう考え方が生まれづらいんじゃないかな。(ロングボールを)蹴ることは良くない、というような感覚があると思う。でも監督は、ボールをゴールに近づけることが一番大事だという基本的なことを言い続けている。
だから、狙いがあればロングボールもありだと。そういうプレーが今日の試合では数多くあった。簡単にサイドに蹴ってくれる。そこで僕が落とせば、武藤(嘉紀)や(本田)圭佑が活きると思う」
「システムが変わったのはありがたかった」
とはいえ、前線からの守備で空回りが続く状況は、岡崎にとっても歓迎できるものではない。スコアレスのまま時計の針が進み、日本はシステム変更の決断をする。長谷部と遠藤が並列に並び、香川がトップ下の入るという4-2-3-1が、アギーレ就任以降初めて採用された。
「あそこでシステムが変わったのは、ありがたかった。(香川)真司がいることでプレッシャーもかけやすくなったし、それで相手も簡単に繋げなくなった。スムーズにシステム変更ができたのは、以前にもやっていたシステムだったからだと思う」