JリーグPRESSBACK NUMBER
J1残留争いの5クラブを徹底分析!
密かに注目する、清水の“切り札”。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2014/11/21 10:30
大榎監督就任後だけで3ゴールを決めている清水の切り札・村田和哉。Jリーグの「オリジナル10」で降格経験のない清水を襲った危機を、跳ね返すことができるか。
C大阪の望みは「シックス・ポインター」。
最終節には「勝てば残留」のサバイバルマッチとなりうる2試合、清水vs.甲府、大宮vs.C大阪が組まれている。
もし33節終了時点で降格クラブが決まっていないような状態になれば、直接対決ではない仙台も、他会場の展開を気にしながらの戦いになるだろう。
この中で最もハードな展開が予測されるのが、C大阪。
仙台、大宮との直接対決はどちらもアウェーでの戦い。そしてACL出場権を争う鹿島との対戦も残している。また、他の4クラブよりもホーム戦が1試合少ないのも気になる点だ。
C大阪は一時は2位に立つなどシーズン序盤こそ好調だったが、ACLとの過密日程で苦しんで順位を徐々に下げると、W杯後には柿谷曜一朗がバーゼルに移籍して得点力がダウンした。
その穴埋めとして8月に南アフリカW杯のドイツ代表だったカカウを緊急獲得したものの、カカウ加入とほぼ同じタイミングで山口蛍が右ひざ半月板を損傷する痛手を負った。第26節終了時には14位に浮上したものの、翌節の清水との直接対決に敗れて以降は17位から浮上できないままだ。
イングランドでは、優勝や残留を懸けた直接対決を「シックス・ポインター(勝点6の戦い)」と表現するが、C大阪としては仙台、大宮との「シックス・ポインター」2試合ともに勝利して勝ち点差を一気に縮める、そして順位を逆転することが残留への絶対条件となる。
仙台、大宮、甲府の粘り強さは終盤に輝くか。
仙台は逆に、序盤戦で苦しんだ。開幕6試合で2分け4敗と出遅れたのを受けて、グラハム・アーノルド監督から長年コーチを務めていた渡邉晋監督への指揮官交代。その後は勝点を地道に伸ばしつつあったが、第21節から5連敗を喫したことが響いて、残留争いから抜け出すには至っていない。
ただ4-2で勝利した第28節の浦和戦や、終了間際に柳沢敦のリーグ戦今季初ゴールでドローに持ち込んだ前節のG大阪戦など、ここに来て再び上昇傾向だ。毎シーズンのように降格の危機に瀕しながらも残留を果たした大宮や甲府とともに、その粘り強さは武器となる。