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原巨人、屈辱の4連敗の全真相。
采配にも及んだ、菅野不在の影響。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/10/20 12:35

原巨人、屈辱の4連敗の全真相。采配にも及んだ、菅野不在の影響。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

試合中、何度もバッティングフォームの仕草を繰り返していた原監督。シーズンを通して湿りがちだった打線は、最後まで火を噴かなかった。

エースの存在が、采配にも与えていた影響。

 実は今季の巨人は、ずっとこんな戦いだったのである。阿部慎之助捕手を軸とした打線は、爆発しそうで爆発せず、ちょっと打ったと思っても、なかなか長続きしない。

 それを支えてきたのが菅野の投球だった。

 要所でエースが踏ん張ることで、チームはピンチを逃れ、そしてあるときは勢いをつけてきた。

 実は菅野がいることで原監督の采配にも、おおきなアドバンテージがあったという。

「智之(菅野)の投げる試合を計算しながら星勘定ができたことも、チームを動かす上での大きなカギになった」

巨人の抱える問題点が如実にあらわれた。

 エースを欠いたシリーズ。初戦の7回、3点差としてなお無死満塁で片岡治大内野手に代えてF・セペダ外野手を起用して一ゴロ併殺とチャンスを潰した。2死から井端弘和内野手を代打に送ったが、順番は逆だった。

 無死の場面で相手内野陣が中間守備。三振か一塁か投手への強いゴロ以外は1点の場面だった。しかし、7番の亀井善行外野手が打席にいるときから、片岡に代えてセペダをネクストバッターズサークルに送っていたことから、相手の守備陣形を考慮することなく、代打を決めていたように映った。

 状況と選手の状態、特長を柔軟に判断して起用してきた原采配が、こんなところでもチグハグになってしまっていた。

 すべてはエース不在の不安感が、チームのリズムを狂わせていたように映った。

 主力選手の高齢化が進む中で、若手の軸になるはずの坂本勇人内野手など、若手の伸び悩みもある。投手陣は万全を誇ったはずの中継ぎ陣が山口鉄也投手を筆頭に、勤続疲労が目についてきてもいる。

 要は、チームは確実に端境期を迎えているということなのである。

 エース一人を欠くことで、その問題点が如実に提示された――数年後のチーム編成を思ったら、巨人にとってはむしろ膿を出した敗北、チーム改革へのきっかけを作る敗北といえるかもしれない。

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