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ペーニャの激怒が暗示していた結末。
オリックス、SBとの差は走塁意識? 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/10/07 10:30

ペーニャの激怒が暗示していた結末。オリックス、SBとの差は走塁意識?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

30本を超える本塁打を放ったペーニャだが、実は盗塁も決めている。単純な走力は低いが「一つでも先の塁を」という意識はとても高い選手だ。

走塁は、意識の持ち方で大きく改善する。

“10.2決戦”で、オリックスはソフトバンクに敗れて涙をのんだが、あの試合がすべてを物語ったとは言わない。ソフトバンクの走塁意識が図抜けて高いというわけではないはずなのだが、両者の攻撃力を比較した時に、オリックスの走塁がソフトバンクを上回れなかったのが敗因の一つのように思えてならないのだ。

 5月のペーニャの激怒は、未来への暗示だったのだ。

 当のペーニャ自身は、決して俊足の選手ではない。むしろ、得点圏にいれば足を引っ張りかねない存在と言ってもいい。しかし、そのアグレッシブな走塁スタイルには、学ぶべきところがある。8月22日の楽天戦では、一塁走者だったペーニャが、次打者ヘルマンの左翼フライで二塁を陥れている。

 走塁は意識次第で大きく変わる。以前このコラムで、ロッテの角中勝也の走塁に触れたことがあるが、意識の持ち方で足の速さはかなりのレベルまで補うことができるのだ。

 極端に言えば今からであっても、その意識を変えることができればオリックスはソフトバンクとの差を埋めることができるということでもある。

 これからオリックスは、クライマックスシリーズを戦っていくことになる。投手の疲労は当然あるが、それはどのチームにも共通していることで、その中でいかに勝ちを拾っていくか。「1点」を大事に取り、守っていくか。「走塁」がひとつのキーポイントになるのではないか。

 アグレッシブな姿勢が、あと一歩の差を埋める。

 下から覇権を狙っていくチームには、それくらい果敢に攻めていくことが求められる。

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