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ペーニャの激怒が暗示していた結末。
オリックス、SBとの差は走塁意識? 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/10/07 10:30

ペーニャの激怒が暗示していた結末。オリックス、SBとの差は走塁意識?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

30本を超える本塁打を放ったペーニャだが、実は盗塁も決めている。単純な走力は低いが「一つでも先の塁を」という意識はとても高い選手だ。

1死二塁からの中前安打で駿太がホームを踏めず。

 シーズンが終盤に近づいても、その甘さが消えていたわけではない。

 9月20日のロッテ戦は、まさに走塁がアダとなって敗れた試合だった。

 この試合は、中盤までに両チームが2点ずつを取り合い、7回表にオリックスが勝ち越し。盤石の投手陣で逃げ切るかに思われたが、9回裏にクローザーの平野佳寿がつかまってサヨナラ負けを喫した。

 プレイバックしたいシーンが2つある。

 1つ目は、3回表のオリックスの攻撃。

 1死二塁から1番・平野恵一が中前安打を放った場面だ。この場面は1死だから、二塁走者の本塁突入は意見が分かれるところだが、打球が落ちた地点が中堅手のやや右だったために、スタートが切りやすいケースだった。そして二塁走者の駿太は、迷わずに三塁ベースを蹴った。しかしロッテの中堅手・岡田幸文からストライク返球が届き、駿太はホームでタッチアウトとなった。

岡田の送球は6.55秒、早いが生還できないタイムではない。

 筆者は、選手の走塁タイムを可能な限りストップウオッチで測っている。この時は、バットにボールが当たってから、野手が処理してホームベースに返球されるまで何秒かかったかを測っていた。

 二塁から本塁までの走塁の一つの基準として「7.0秒以内」というものがある。バットにボールが当たってから二塁走者がホームに生還するまでに、7.0秒を切ることができなければ、通常の返球ならまずアウトになるという数値だ。これは高校生を基準にしたもので、高校野球では6.5~7.0秒の間で明暗が分かれることになる。

 これがプロになるとタイムは厳しくなる。7.0秒でホームに到達しなければならないことに変わりはないが、プロの俊足の選手の場合だと、6秒台前半でホームへ還ってくる。なかには、5秒台を記録する選手すらいる。単純な走力だけでなく、一歩目のスタート、最短距離で走るコース取り、スライディングスピードなど、様々な要素が関係してプロはより早くベース間を走り抜けることができるのだ。

 駿太がホームで刺された場面で、ロッテの中堅手・岡田が本塁へ返球するのに要した時間は6.55秒だった。かなり速いタイムだといえるが、プロの俊足の選手であれば、ホームに生還できないタイムではなかった。

【次ページ】 駿太「突っかかって、一度僕の足が止まった」

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