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凱旋門賞、日本勢は史上最強!?
異なるタイプの精鋭3頭が頂を目指す。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/10/03 10:30
ジャスタウェイと併せて追い切られたゴールドシップ(左)。騎乗の横山典弘は馬場適性について「合っている。フットワークもグリップも良かった」とコメントしている。
ぶっつけ本番を選んだ3頭、どう出るか?
3頭とも、現地で前哨戦を使わず、現地入りから2週間ほどで本番に臨む、というスケジュールを選んだ。異国でストレスのかかる時間を極力短くすることを、環境に慣れる時間を長くとることより優先したわけだ。ドバイや香港への遠征では、もっと短い滞在期間で成功している例もある。
日本馬が2頭ずつ出走した'10年から昨年まではみな現地で前哨戦を使っていたのだが、フォワ賞も本番も2着だった'10年のナカヤマフェスタ以外は、みな前哨戦のほうがいい結果が出ている。本番のほうが相手が強いので当然なのかもしれないが、遠征初戦のフレッシュさにかける価値はあるだろう。
ペースがどうであれ、3頭のうちどれかには有利に働く。
本番で日本馬はどんなレースをするか。
ゴールドシップの気持ちを汲むことを大切にしている横山は、ゲートを出たなりでレースを進めるだろう。日本馬3頭のなかで、おそらくこの馬が一番後ろからレースを進めることになる。その少し前、揉まれない中団外目にハープスターがつけ、好位4、5番手でジャスタウェイが前に馬を置いて折り合いをつける、という展開になるのではないか。
ペースが速くなっても遅くなっても、3頭のうちどれかには有利に働く。'11年のドバイワールドカップの前も、ヴィクトワールピサを管理する角居勝彦調教師がそう話していた。勝つのはこういうときなのか、それとも――。
ライバルを見渡しても、ドイツダービーを圧勝したシーザムーン、イギリス・アイルランドの両ダービーを制したオーストラリア、フランスダービー馬ザグレーギャツビーら、有力視されていた3歳馬が次々と回避し、昨年オルフェーヴルとキズナを突き放したトレヴは今年未勝利で、1年前の勢いはない。