フットボール“新語録”BACK NUMBER
ザックジャパンの戦術的な問題は、
主力と監督の“歩み寄り”が生んだ!?
posted2014/08/10 10:40
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Itaru Chiba
「私自身も歩み寄りましたし、おそらく監督自身も歩み寄ってくれたんじゃないかなと思う」
本田圭佑(ブラジルW杯日本代表)
ザックジャパンはブラジルW杯に向けてコンディション調整を失敗し、切れを欠いたまま本番を迎えてしまった――ということを前回のコラムで書いた。ただし、事前準備の疲労が足を引っ張ったとしても、すべてをそれに押し付けたら進歩はないだろう。
他の敗因を考えるうえで、必読のインタビュー記事がある。『週刊サッカーダイジェスト』(8月5日号)に掲載された遠藤保仁のインタビューだ。
元日本代表の三浦淳寛氏が遠藤にインタビューを行なった記事で、掲載号のバックナンバーが週刊サッカーダイジェストのWEBサイトにおいて販売されているので、もしお持ちでなければ購入をお勧めする。
「距離が近いのは、監督があまり好きじゃない」
その記事の中で個人的に印象に残っているのが、「本田圭佑と遠藤の距離感」に関するコメントだ。遠藤は同インタビューでこう語った。
「距離が近いのは、監督があまり好きじゃないんですよね。嫌がりますね。実は去年の東欧遠征でわざとやったんです、僕と本田が。ずっと同じような攻め方をしていたら研究されるから、それを打開するために違う形を模索しようとして。あえて僕が本田に近いところにいて、細かいパスをつなぎながらの攻撃にトライしたんですよ。そんなに内容は良くなかったんですけど、内容の割には、僕は手応えを感じてましたね」
「でも、結局却下されました。そういったこともあったんで、コートジボワール戦でも細かくつなぎながら状況を打開するってことが、できなかった。もちろん、疲れの部分が大きかったんですが」