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ペップの改革とバイエルンの“抵抗”。
2トップ、ポゼッション、マンネリ……。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2014/03/27 16:30

ペップの改革とバイエルンの“抵抗”。2トップ、ポゼッション、マンネリ……。<Number Web> photograph by AFLO

新天地バイエルンでも、新たな伝説を打ち立てたグアルディオラ。CLでの古巣バルセロナとの対決は実現するのだろうか。

「バイエルンには2トップがふさわしいんだ!」

「バイエルンには2トップがふさわしいんだ!」

 今となっては、この言葉を理解できるものはほとんどいない。ベッケンバウアーの批判も、数年後には一笑に付されるものになっているのかもしれない。世界中で称賛をうけるバルセロナの哲学だって、クライフがやってきてから明確になったものだ。それとて1899年から続くバルセロナの歴史からみれば、ごく最近のものに過ぎない。グアルディオラがバイエルンで取り組もうとしているのは、バルセロナでクライフが取り組んだようなものなのかもしれない。

 では、就任初年度からチームをここまで変化させられたのは何故なのか。リベリーは練習にその要因があると証言している。

「僕たちはものすごく練習に集中しているんだ。ペップは練習で明確な方針を提示してくれる。毎日の練習は素晴らしいだけではなくて、ものすごく適切なものなんだ。これが選手に安心とオートマチズムをもたらしてくれる」

マンネリを防いだペップは自らも新境地を切り開く。

 昨シーズン3冠を達成して、成熟しきったと思われていたバイエルンの選手たちにこれまでとは異なるサッカーを提示することで、ペップはマンネリや停滞を防いだのだ。

 もちろん、ペップは選手たちに新たなチャレンジの機会を与えると同時に、自らも監督として新しいチャレンジに取り組んでいる。

 バルセロナの監督をしていたときにもローテーションを採用していたものの、常にプレーしたいと願うメッシをベンチに置いておくことは出来なかった。バイエルンにメッシほどの際立った才能の持ち主がいないとはいえ、今シーズンはここまでしっかりと選手たちに休養を与えてきた。リーグ優勝を決めたヘルタとの試合でも、チームの中心であるリベリーやチーム得点王のマンジュキッチをスターティングメンバーに選んでいない。

 また、将来的な移籍をにおわせたり、ローテーションへの反発を見せた選手たちには毅然とした態度で接してきた。クロースもマンジュキッチも、試合で起用してもらえない時期があった。ただ、そこで問題が解決すれば、しっかりと試合に起用して、しこりを残さないようにしている。

【次ページ】 バルサでのイブラ獲得を想起させるレバンドフスキ加入。

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