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Jリーグがブンデスの草刈り場に!?
移籍金ゼロでの選手流出を防ぐ方法。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byMasahiro Ura

posted2011/01/16 08:00

Jリーグがブンデスの草刈り場に!?移籍金ゼロでの選手流出を防ぐ方法。<Number Web> photograph by Masahiro Ura

アジアカップ日本代表としてドーハで練習する、FCアウクスブルクへ移籍した細貝萌

選手との契約延長交渉を契約最終年にするのでは遅い!

 ここでは重要なポイントを2つあげたい。

 まず1つ目は、ヨーロッパの常識に習って、「選手との契約延長の交渉は、契約が切れる1年前をメドにする」ということだ。たとえば契約が2012年夏に切れるなら、2011年夏に延長の可否の決着をつけるのが望ましい。

 もし1年前の段階で選手が延長を拒むようであれば、クラブはすぐに売却の準備をスタートするのが、ヨーロッパの一般的な考え方だ。値下げも検討する。

 昨年夏、ブレーメンからレアル・マドリーに移籍したドイツ代表MFのエジルが、まさにそうだった。当時、ブレーメンとエジルの契約は2011年まで。ブレーメンは2010年夏の段階で契約を延長することを望んだ。しかし、エジルはサインを拒否。1年後にタダになるのを防ぐために、仕方なくブレーメンは移籍金1500万ユーロ(約17億円)でレアルへ売却した。

 それに対してJリーグの場合、代表級の選手に対しても、契約の最終年に延長の交渉をしているケースが多いように見える。国内移籍の特別ルールが2009年10月に廃止されたばかりで、まだ長期契約の文化が熟成していないから仕方がない面もあるが、これからは「複数年契約が切れる1年前がメド」という考え方を常識にしていかなければいけないだろう。

代理人との駆け引きのノウハウを蓄積するべし!

 ただ、いくら1年前をメドにしても、肝心の“交渉力”が乏しければ効果も乏しい。

 2つ目のポイントは、「代理人との駆け引きのノウハウを蓄積する」ことだ。

 代理人は交渉のプロなので、中には海外からのFAXをうまく使って、話を有利に進めようとする場合もある。

 たとえば、ドイツの関係者にお願いして、「このクラブが関心を持っている」という内容の文面をドイツ語でFAXしてもらう。英語でないところがミソだ。それをJリーグの強化担当者に見せる。

 もし強化担当者がドイツ語を読めず、さらに疑い深くなければ、内容を精査せずにオファーがあるものだと勘違いしてしまうかもしれない。

 実際はただ単に、興味がある、と書いてあるだけなのに。

【次ページ】 選手だけでなくクラブ側も欧州に学ぶべきものがある。

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