Jをめぐる冒険BACK NUMBER
FC東京のフィッカデンティ新監督は、
ザックによく似た“リアリスト”?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2014/03/12 11:30
FC東京の監督として、世界でも異色といわれるJリーグの戦いを学習しているフィッカデンティ監督。戦力は揃っている。イタリア人特有のリアリズムが、チームを変えるか。
運動量に依存したスタイルで、夏が勝負の時期か。
また、三田だけでなく、左ウイングにはルーキーの武藤嘉紀が起用され、アカデミー出身2年目の野澤英之も柏戦でリーグ戦デビューを飾った。昨シーズン、失われていた競争意識も高まっている。
ただし、欠けていたものを加えたからといって、それが足し算にならない可能性があるのが、チーム作りの難しさ。戦術が選手の能力や個性を引き出し、ウイークポイントを補うための装置ではなく、選手の力を制限させるフレームとして働くようになると、ベースとして磨いてきたはずのパスサッカーも消え失せ、レッドシグナルが灯ることになる。
また、このスタイルで「日本の夏」を越えられるのかどうかという疑問もある。選手のコンディションが悪いときにパフォーマンスが著しく下がったザックジャパンを思うにつけ、FC東京の夏場の戦い方が気になってくる。人を変えるのか、戦術の微修正をするのか、そのまま乗り越えていくのか……。Jリーグ初のイタリア人指揮官の手腕に、この先も注目していきたい。