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NumberWeb版、2014年J1順位予想!
識者3人が推す優勝、そして降格は?
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Number編集部Sports Graphic Number
photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO
posted2014/02/28 10:40
J1の全監督が勢ぞろいしたキックオフカンファレンス。今年は5チームが新監督を迎え、戦術的にも大きな変化がありそうだ。
風間体制3年目の川崎に、FC東京の選手層も気になる。
●飯尾篤史 サッカーライター
少し前、サッカー専門誌で働いていた頃は、順位予想を依頼する側だったから、気楽でよかった。依頼される側になって初めて分かるこのツラさ……。今のうちから懺悔しておきたい。この手の予想が当たるわけがないのだから。
今回重視したのは、陣容の充実度と、継続性だ。
鹿島の3連覇のあとに訪れた戦国時代。どこが優勝してもおかしくない今のJ1で、序盤の出遅れは、致命傷になりかねない。裏を返せば、開幕から陣容が整っていて、スタイルにもブレがなければ一気に突っ走る可能性がある。
そんな条件にぴったりなのが、川崎だと思う。昨季のレギュラーが全員残留。そこにパウリーニョ、森島康仁らが加わり、大久保嘉人、中村憲剛、レナトら攻撃陣の凄みは増すばかり。風間八宏監督も就任3年目を迎え、いよいよ機が熟した感がある。
対抗として挙げたいのは柏、広島、浦和だ。川崎と同じく指揮官の戦術、スタイルはすでに浸透。柏はレアンドロやハン・グギョン、広島は柴崎晃誠や柏好文、林卓人、浦和は李忠成や青木拓矢、西川周作というように、戦力の上積みに抜け目がない。この4チームがトップ集団を形成するのではないだろうか。
選手層で言えば、東京もなかなかのもの。昨年は日本代表に5選手(権田修一、高橋秀人、東慶悟、森重真人、徳永悠平)を送り込み、新助っ人エドゥーにも“本物”の香りが漂う。ただし、キャンプを見る限り、フィッカデンティ新監督の戦術が浸透するには、まだまだ時間がかかりそう。
また代表候補の多さは、W杯イヤーでは必ずしもプラスに働かない。メンバー発表までは「選ばれるのか、選ばれないのか」で神経をすり減らし、実際に選ばれたら、W杯終了後、しばらく疲労を引きずりかねない。
同じことは、G大阪とC大阪にも言える。W杯後の遠藤保仁と今野泰幸のコンディションがどうなっているのか読めない。加えて、宇佐美貴史の離脱があまりに痛い。C大阪の場合は、柿谷曜一朗と山口蛍が夏に海を渡る可能性がある。もしそうなれば、いくらフォルランがいようとも、苦戦を余儀なくされそうだ。
昨季2位の横浜FMを中位にしたのは、マルキーニョスの退団と、レギュラーの高齢化が著しく、ACL参戦による負担が大きいのではないかと思ったから。名古屋を下位にしたのは、まさに陣容の充実度と継続性の点で不安があるからだ。
田中隼磨、増川隆洋、阿部翔平、石櫃洋祐とDFが4人もいなくなり、ストッパーとウイングバックを務める人材は、未知数な部分が多い。中盤では藤本淳吾も移籍。果たしてこれで、西野朗新監督が思い描いたとおりのチーム作りができるのかどうか……。
神戸を率いたときのように、スタイルの構築に時間がかかり、戦術の見直しを迫られるようだと、残留争いにどっぷりと浸かりかねない。そうなると、'10年の東京、'12年のG大阪、'13年の磐田が陥った「サプライズ降格」の罠が口を開けて待っている。
1位:川崎
2位:柏
3位:広島
4位:浦和
5位:清水
6位:新潟
7位:東京
8位:鹿島
9位:C大阪
10位:横浜FM
11位:G大阪
12位:仙台
13位:神戸
14位:鳥栖
15位:甲府
16位:大宮
17位:名古屋
18位:徳島