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カーリング小笠原の戦略は「男前」!?
現在1勝1敗、“ケンカ腰”で大一番へ。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byShinya Mano/JMPA
posted2014/02/12 16:30
船山弓枝、小笠原歩(左)のベテランコンビが立てる戦略は超攻撃的。彼女たちが、声援に押されて攻撃に出てくるロシアにどう対峙するのか見ものだ。
勝ってハラハラ、負けてもドキドキ。
カーリングの日本代表チームは、実にエキサイティングな試合を展開している。
カーリングは大会のなかにも、そして1試合のなかにも流れがある。
日本の場合は、競技開始前日、セカンドの小野寺佳歩がインフルエンザのために試合を欠場するハプニングがあり、競技が始まる前から「マイナス」の状態でスタートしなければならなかった。流れという面では、最悪のスタートである。
そして迎えた初戦、韓国戦では点の取り合いのなかで後半にショットを決め切れずに敗戦。最初の4試合をなんとか3勝1敗で乗り切れば上位進出の目も出てくる――と計算していた私としては、ランキング下位の韓国に負けたのは手痛い敗戦に見えた。
その意味で、第2戦のデンマーク戦は相手が2連敗していたこともあり、すでに両軍にとって「背水の陣」。
この相手に初勝利を上げたことで、ようやく風向きが変わり始めた。
大事なのは、第3戦のロシア(日本時間2月12日午後7時)、第4戦のアメリカ(日本時間2月13日深夜0時)の2試合だ。ここで連勝するようであれば、上位進出に向けて楽しみが広がるし、1勝1敗でもまだ望みはある。
ロシア戦からは小野寺が復帰の見込み。
しかも、現地の情報ではロシア戦からは小野寺が復帰する見込みだ。
米露を倒す鍵はどこにあるのか、見ていきたい。
スキップの小笠原が「見た目に分かるほど緊張していた」という、小野寺の代わりに入った吉田知那美。
2試合を見た感じでは、吉田の存在が勝敗を左右する鍵になっている。
彼女のショットが狙い通りに決まればそのエンドは有利に展開し、ミスとなれば一気に苦しい場面が到来する。