日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
イタリアのメディアは世界一苛烈?
本田に必要なのは、長友の“図太さ”?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2014/01/25 08:20
チームの中で確固たるポジションを獲得し、自信に満ちたプレーを見せる長友佑都。キャプテンマークを経験するなど、インテル4季目の男は着実にステップを上っている。
良いときこそ持ち上げてくれるが、プレーが悪かったら辛らつに批判される。
世界一の苛烈さと言ってもおかしくないのが、“カルチョの国”イタリアである。
ACミランに移籍して連日のように注目されている本田圭佑も、早速、その両方を経験している。12日のサッスオーロ戦で後半からセリエAデビューを果たした際、新聞各紙の採点は軒並み高かったという報道は日本でも紹介された。「ガゼッタ・デロ・スポルト」紙は敗戦ながらも採点6(10点満点)をつけてチームのベストプレーヤーに選出し、「質の高く、冷静なプレーヤー」と称えた。
それが19日のベローナ戦では、勝利したとはいっても同紙の採点はやや厳しめの5.5で、短評には「空転した」。連係面もスムーズになっていたし、存在感もあって筆者が採点するなら6はつけたい(映像での印象だが)。しかし各紙とも低評価だったようで、ゴールに直結する働きを重視するイタリアならば、さもありなんといったところか。「ミランの10番」という観点に立っても「それぐらいの働きじゃ評価できないよ」ということなのだろう。
ミラノでプレーする“お手本”長友佑都の存在。
本田はこれから先、イタリアのメディア、そしてメディアの先にいる熱烈な“ミラニスタ”とも向き合っていかなければならない。苛烈さがバッシングのほうに回ることも当然あるだろうし、メンタルのコントロールが成功の可否を握る一つのカギのようにも思えてくる。
だが、ここミラノにはいい“お手本”がいる。イタリアで4シーズン目、それもインテルでレギュラーを張り続けている長友佑都の存在である。
“本田フィーバー”の陰に隠れがちではあるが、長友はマッツァーリ体制のもと順調にシーズンを送っていると言っていい。チームは2014年に入って1勝もしておらず、首位ユベントスとは勝ち点で23差も開いての5位(19日終了時点)。ただ長友自身はケガで欠場した以外はほぼ先発で出場しており、13日のキエーボ戦では早くも今季5点目をマークしている。