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新戦力筆頭は柿谷ではない!?
観察力と吸収力の男、工藤壮人。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO

posted2013/10/01 10:31

新戦力筆頭は柿谷ではない!?観察力と吸収力の男、工藤壮人。<Number Web> photograph by Kenzaburo Matsuoka/AFLO

グアテマラ戦で試合の流れを決定づける追加点を奪った工藤。A代表は現在4試合で2得点。あらゆる形でゴールに絡む能力は、数字にもはっきり残っている。

 優勝した東アジアカップから継続して8、9月とザックジャパンの親善試合にいずれも選ばれている新しいメンバーは柿谷曜一朗をはじめ、森重真人、工藤壮人、山口螢、青山敏弘の5人である。いや、もとい。この中でただ一人、5月のブルガリア戦から呼ばれているプレーヤーがいる。それは柏レイソルのエース、工藤だ。

 トップ、サイドもこなせる柏レイソルの新エースは、今季、まさにブレイクを果たした。リーグ16点、ACL6点、ナビスコ杯1点と今季公式戦23発(9月30日現在)。この「公式戦総合」で考えると、大久保嘉人(リーグ19点+ナビスコ杯4点)と並んでトップの数字を叩き出しているわけだから、文句なしの代表選出とも言えるだろう。

 しかし、ただレイソルでの調子がいいというだけで代表に継続的に呼ばれている理由にはならないのは、アルベルト・ザッケローニ監督のこれまでの招集傾向を見ても明らかだ。それだけ指揮官を惹きつけているものがあるからに他ならない。

岡崎慎司に最も「似た」男。

 工藤には、何より観察力と吸収力、そして対応力がある。

 指揮官から与えられた役割は、1トップではなく右サイド。代表ではまずサイドに張るのが原則で、レイソルでのやり方とは異なっている。東アジアカップの期間中、彼は貪欲に、自分に課せられた役割を詰め込もうとした。練習後にザッケローニに話しかけて動きを確認することもあれば、サイドバックとの連係でうまくいかなかった時には、周囲とコミュニケーションを取ったこともある。また宿舎に帰れば、リラックスルームで同じポジションでレギュラーを張る岡崎慎司のプレーを目に焼き付けていた。「逆サイドにボールがあるときのポジショニングなど、細かい部分をしっかり見るようにしている」とも話していた。

 ザックジャパンのサイドハーフは群雄割拠だ。香川真司、岡崎、清武弘嗣を軸にして、乾貴士、大津祐樹ら欧州組が席巻している。国内では齋藤学の台頭もある。だがレギュラーである岡崎の裏への飛び出し、守備の迫力、献身性という部分において一番近いのが工藤と言えるのかもしれない。元々共通点が多いうえに、代表に入ってより意識するようになったからこそ、姿がダブって見えてしまう。

 そして何より「岡崎っぽい」と思えたのが、泥臭い決定力だろうか。

【次ページ】 プロ1年目、大きな影響を受けた北嶋秀朗との出会い。

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