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ブンデス4年目の内田篤人が見せた、
生き残るための“小さな変化”。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2013/07/24 10:31

ブンデス4年目の内田篤人が見せた、生き残るための“小さな変化”。<Number Web> photograph by AFLO

内田はオフにテレビの収録などもこなしながら、しっかりトレーニングに励んでいたという。14日、「(すぐに)練習やれと言われてもぜんぜんできますし。チームは始動しているんで」と語り成田を出発、15日にはチームに合流した。

 少し予定より早かったかもしれないが、内田篤人は動じない。プロのフットボーラーとして淡々と監督の要望に応えるだけだった。

「ハーフタイムに、監督が『準備しろ!』って。前半の守備に監督はキレていたから、最初のプランとは違うんだろうなと思ったけど、『ハイ』って言って、用意しただけだよ」

 7月21日、トルコの強豪ベシクタシュとの練習試合。ケラー監督はこの試合を来るシーズンに向けての大事なテストの場と位置付けていた。

 しかし前半、右サイドバックに入ったヘーガーが背後を立て続けにつかれて、何度か決定機を与えてしまう。失点こそまぬがれていたが、骨のあるチームとの試合で見えてきた守備のほころびをこのまま放置することは出来ない。そこで左MFのバストスとともに、内田が後半開始時からピッチに立つことになったのだ。

俺はスロースターターというか、のんびりやるタイプ。

 オフを終えた内田がチームと共に練習をするようになってから6日目のことである。4日前に行なわれたドイツ4部所属のコブレンツとの練習試合でも後半14分からプレーしたのだが、オフから1週間足らずで2試合もこなすのは、日本人選手の中ではマインツに移籍したばかりで、チームのやり方に慣れる必要のある岡崎慎司以外には内田しかいない。

 果たしてベシクタシュ戦の後半、内田は前半に見られた守備の穴を埋めた。いきなり相手の激しいファールによって倒されるというアクシデントもあり、攻撃面ではそれほど見せ場はつくれなかったが、及第点と言っていいだろう。試合も1-1の引き分けで終わった。

「俺はスロースターターというか、のんびりやるタイプだから、こういうのはあまり得意じゃないんだよね」

 試合後にはいつもの内田節が聞こえてきたが、今年はシーズンを前に、これまでとは違う一面をのぞかせている。

 今から2シーズン前のこと。

 前シーズンに日本代表を含めてかなりの試合数をこなしていた内田は、他の選手よりも遅れてチームに合流することを許された。しかし、調整に失敗してしまう。プレシーズンで出遅れると、開幕スタメンの座を奪われてしまった。しばらくしてポジションを取り返せそうになったが、今度は怪我で戦列を離れてしまい、しっかりとレギュラーの座を射止めたのは終盤戦に入ってからのことだった。

【次ページ】 この国では、沈黙は悪であることも知っている。

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