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試合を台無しにする誤審を撲滅せよ!
Jリーグの審判に必要な競争と育成。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakao Yamada

posted2010/10/09 08:00

試合を台無しにする誤審を撲滅せよ!Jリーグの審判に必要な競争と育成。<Number Web> photograph by Takao Yamada

9月25日に等々力で行われた川崎F-G大阪戦は前半は1-1。後半にルーカスが決勝点を決めて1-2でG大阪が勝利した

ドイツではプロアマ問わず全チームに審判育成の義務が。

 しかし、ドイツに比べて遅れていることもある。

 それは審判の「育成」だ。

 ドイツサッカー協会は、アマチュアを含めたすべてのクラブに対して、審判の育成を義務づけている。クラブが所属するリーグのクラスによって育成人数は変わるが、1部だろうが、10部だろうが、とにかく一定人数の審判をクラブに所属させて、育てなければいけない。

 具体的には、審判のユニフォームを無料で提供し、試合当日の移動費と食費を援助する。ユーロ2004の決勝で笛を吹いたマルクス・メルク主審は、本業は歯科医だが、クラブとしてはカイザースラウテルンに所属していた。

 クラブは育成を怠ると、まず協会から罰金を科され、それでも改善しなければ、下部リーグに強制降格させられてしまう。京都サンガで働いていた家本政明審判のように、日本でも球団職員が審判になるケースはあるが、プロアマ問わず、クラブが審判を育成しなければいけないというルールはない。

ジャッジへの不信感を払拭するためにも審判の育成は必要だ。

 日本でも、まずはJ1とJ2のクラブに、審判を育成することを義務づけてはどうだろうか。審判がクラブに所属していれば、ある意味名刺代わりになり、「あの人は誰?」ということも少なくなるはずだ。同時に、信頼関係も築きやすくなるだろう。

「競争」と「育成」が審判制度の両輪だとすれば、日本の場合、後者に改善の余地がある。クラブで育成された現役大学生レフリーが、ピッチの上で日本代表選手と堂々と渡りあう――そんな日が来たら、さらにJリーグの笛のレベルが上がっているはずである。

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