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<フリースタイルモトクロスの最高峰> RED BULL X-FIGHTERS 「驚愕のエアバトルがいよいよ日本初上陸」 

text by

梶野仁司

梶野仁司Hitoshi Kajino

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photograph byRed Bull Content Pool

posted2013/05/09 12:00

<フリースタイルモトクロスの最高峰> RED BULL X-FIGHTERS 「驚愕のエアバトルがいよいよ日本初上陸」<Number Web> photograph by Red Bull Content Pool
世界中で多くのファンを虜にするフリースタイルモトクロス。
その世界最高峰の大会「Red Bull X-Fighters」が、日本で開催される。
大阪城・西の丸庭園に設置された特設コースで、
トップライダー12名がエナジー溢れるトリックを披露する。
6月1日、世界中がOSAKAに注目する。

 フリースタイルモトクロスという競技をご存知だろうか。モーターレースのように速さを追求するのではなく、モトクロス本来の特性を活かしたジャンプが進化し、高さおよそ十数メートル、飛距離は長いもので30メートルを超す中で、華麗な技やスタイルを競い合う。

 日本での競技人口はそれほど多くないものの、世界トップレベルで戦うライダーもおり、若者を中心に人気を博している。

 フリースタイルモトクロスは'80年代後半のアメリカで生まれた。

 この頃モトクロスと言えばスーパークロスが代表するようにレース競技が主流だった。そんな中、レースに飽き足らないライダー達はアメリカ西海岸のオープンエリアと呼ばれる広大なトラックで、ジャンプの技術を磨きはじめた。やがてそれはより過激さを求め、手や足を離すアクションジャンプとなり、ひとつのカルチャーを生み出すことになる。

 このカルチャーが'90年代前半にフリースタイルモトクロスという名称で競技として定着する。シンプルながらもインパクトの強いジャンプの魅力に取りつかれた多くのライダーがレースから転向し、競技人口は一気に急増。徐々に世界に広がり、日本でも2000年からフリースタイルモトクロスのイベントが盛んに行なわれるようになった。

 飲料メーカーのレッドブルも多くのライダー達と同様にこの競技の魅力に取りつかれた。他にも独自のスポーツイベントを展開していたレッドブルはスペイン・バレンシアの闘牛場でフリースタイルモトクロスのコンテストを開催する。これが「Red BullX-Fighters」の記念すべき第1回大会だ。

6月1日の日本大会では、大阪城をバックにモトクロスバイクが飛ぶ。

 以降、数年間バレンシアとマドリッドで開催した後、メキシコのラ・プラザ・メキシコ闘牛場でも開催するようになり、毎回チケットがソールドアウトするメガイベントへと成長を続けた。さらに、'07年からはワールドツアーへと拡大し、フリースタイルモトクロスで最も権威のあるシリーズとして世界中のファンから愛され続けている。

 ライダー達の華麗なトリックの他、「Red Bull X-Fighters」のもうひとつの魅力となっているのが、闘牛場に代表されるようなユニークな会場である。過去にはエジプト・ギザのピラミッドやモスクワ・赤の広場など、国を代表する場所で開催されている。今年の6月1日に初めて開催される日本大会も、大阪城という日本を象徴する場所が会場となる。

 日本ならではの城をバックにモトクロスバイクが飛ぶ姿は、言葉では言い表せないほどの壮大なスケール感があり、スポーツの枠を超えたショー型コンテストと例えられるこの大会にふさわしい。

【次ページ】 佐藤英吾の追悼大会と位置付けられた開幕戦。

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佐藤英吾
レッドブル

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