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スポーツの力で震災復興に光を!!
元五輪選手達が陸上競技教室を開催。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShigeki Yamamoto
posted2012/12/20 10:30
写真左から、岡井(旧姓山口)衛里、坂本(旧姓松尾)和美、澤口功コーチ、大島(旧姓田中)めぐみ、高橋千恵美。超人とも言えるトップアスリートたちとの出会いは、子供たちにとって一生の思い出となるはず。
たくさんの笑顔が、充実した時間だったことを物語っていた。
12月16日の全日本実業団女子駅伝の前日、仙台市陸上競技場で「ハートフルプロジェクト ランニング教室」が実施された。仙台市内の10の中学校で陸上に励んでいる生徒約100名を対象に、元五輪代表選手らが講師となって行なわれたものだ。
全日本実業団女子駅伝と共にこの教室にも特別協賛している東京エレクトロンの安原もゆる氏は、こう語る。
「弊社は世界を舞台に活動していますが、宮城県にも工場があります。地元に工場のある企業として、復興支援として何かできないかと考えている中で、昨年、全日本実業団女子駅伝が宮城県に舞台を移したときに参画させていただきました。今年はより充実させるためにランニング教室を実施したいとお聞きし、『活動を通して中学生に元気と希望を与えたい』という趣旨に賛同したものです」
日本実業団陸上競技連合理事の岡内伸二氏は、開会にあたって、こう語った。
「震災が起こって何かできることはないかと考え、昨年から宮城県で駅伝を行なっています。昨年はハートフル(黄色に赤いハートのかたどられた)の手袋を振って応援してもらい、選手は元気に走ることで少しでも元気を配りたいということでプロジェクトを行ないましたが、今年はもっとできることはないかと検討してランニング教室を行なうことになりました」
世界的なアスリートたちが、直接子供たちを指導するという意義。
指導には、シドニー五輪のマラソンで7位入賞した岡井(旧姓山口)衛里、シドニー5000m・アテネ10000mの両五輪代表の大島(旧姓田中)めぐみ、シドニー五輪10000m代表の高橋千恵美、世界陸上エドモントン大会マラソン代表の坂本 (旧姓松尾)和美、そしてしまむらの澤口功コーチの5氏があたった。
生徒たちは2つの班に分かれて、まずは体づくり。体操、腿上げといったメニューをこなしながら、基本の動作を学んだ。
「体が前に出ないようにね」
「前足のかかとに体重をかけてください」
講師からの、細かな、丁寧な指示に従って、生徒たちは動きを修正していく。
約30分で体づくりを終えると、2班が一緒になって、グラウンドのトラックを3周。
その後の質疑応答では、生徒から具体的な質問が相次いだ。