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内田が解説するレビアー・ダービー。
シャルケ快勝の“歴史的意義”とは?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2012/10/24 16:55
ダービーマッチを2-1で勝利し、ピッチで歓びを表すシャルケのメンバー。第8節終了時点でバイエルン、フランクフルトに次ぐ3位につけ、好調を維持している。昨季の3位以上の成績を残せるか。
ドルトムントのシステム変更に、内田は「よしよし」。
その後も、シャルケペースで進む。とりわけ、FWのフンテラールが前線で起点になり、手数をかけず、素早くフィニッシュを目指すシャルケの攻撃にスイッチを入れる役割を果たしていた。ドルトムントの3バックの中央に入ったS・ベンダーは、後手を踏み続けた。前半29分、S・ベンダーがフンテラールのポストプレーを食い止めようとしてファウルをとられたシーンで、クロップ監督の頭脳であるコーチのブバチがベンチを飛び出して、普段から採用する4-2-3-1に戻すように指示を送る。
チームメイトのプレーぶりに内田も手ごたえを感じていた。
「向こうが戦術なり、選手のポジションを変えてくれるなら、うちが上手く行っているということ。たぶん、右サイドから結構行ってたから、そこを抑えにきたのかなというのはあったね。よしよし、って」
前半36分になってようやく、ロイスが速攻からドルトムントにとっての初めてのシュートを放つが、これはGKの手の中へ。直後に、クロップ監督がベンチから飛び出して、スタンドにむけて、さらに応援をするようにうながす。それでも流れはなかなか変わらなかった。
シャルケの2点目は「獲ったら、フンテラール」という練習の成果。
シャルケのリードで迎えた後半早々にスコアは動く。後半3分。後方からのパスを引き出したフンテラールが、ダイレクトでボールを戻す。トップ下のホルトビーもまたダイレクトで、相手DFラインの裏のスペースへパスを出した。飛び出したのはボランチに入ったヘーガーだ。ペナルティエリアまで落ち着いて運ぶと、冷静に流し込んで2点目を決めた。内田が解説する。
「ボールを獲ってから前に、早く、という練習はやっていたから、そういう意識がみんなの中にあったんじゃない? 『獲ったら、フンテラール』みたいなね。まぁ、(ボールを)当てれば、彼は上手いからね」
7分後、ドルトムントはフリーキックからレバンドフスキが頭で決めて、1点差に。クロップ監督はボランチのケールに代えて、新星ビッテンコートを送り込むなど、追撃モードにシフトする。しかし、ビッテンコートが入っても、ドルトムントの右サイドの攻撃は機能せず。左サイドに張っていたロイスの単独突破から2回ほどチャンスは作ったが、チームとして迫力ある攻撃は一度も見られなかった。