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内田が解説するレビアー・ダービー。
シャルケ快勝の“歴史的意義”とは? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2012/10/24 16:55

内田が解説するレビアー・ダービー。シャルケ快勝の“歴史的意義”とは?<Number Web> photograph by AFLO

ダービーマッチを2-1で勝利し、ピッチで歓びを表すシャルケのメンバー。第8節終了時点でバイエルン、フランクフルトに次ぐ3位につけ、好調を維持している。昨季の3位以上の成績を残せるか。

観客席から投げ込まれるコイン、ライター、家の鍵……。

 対するシャルケの選手たちは、ふてぶてしさを見せる。内田はスローインのときにゆっくりとボールを拾いにいって相手サポーターからブーイングを浴びる。GKウンナーシュタルも、ゴールキックのときにはゆっくり時間を使い、「黄色い壁」と呼ばれる後方のスタンドから、コイン、ライターなどを投げつけられるが、平常心を装った。

「20セントコインが頭に直撃したんだよね。あと、僕はノンスモーカーなんだけどなぁ」

 試合後に内田も首をかしげていた。

「何が投げられたのか見てみたら、家の鍵とかあった。『もう、家帰んねぇぞ』みたいな感じかな?」

 最後はなりふり構わずパワープレーに出たドルトムントの攻撃を跳ね返し続け、2対1でシャルケが3シーズンぶりにダービーでの勝利を手にすることになった。

 昨季から指揮をとるステフェンス監督は、試合後に誇らしげに語った。

「昨シーズンも悪い戦いをしていたわけではなかったが、結果がついてこなかった。リベンジが果たせたね」

 対するクロップ監督は肩を落とした。

「我々は良いプレーが出来なかった。シャルケが勝利に値する戦いを見せたということ。今日の戦い方を選んだ責任は私にある」

今回のダービーがシャルケにとって持つ意味とは?

 昨季のヒーローや控え選手が、苦虫をかみつぶすドルトムント。これまで悔しさを味わってきた者、本領を発揮できなかった者が輝いたシャルケ。ダービーを終えたあと、両チームの選手たちから受ける印象は、あまりに対照的だった。

 では、この試合はどんな意味があるのだろうか。

 過去2シーズンの4試合と比べてもこの試合がスリリングな展開だったのは間違いない。しかし、少なくとも現時点では、2シーズン前、2010年9月19日に行なわれたダービーほどの“意義”は見いだせない。

 香川の2ゴールもあり、3対1でドルトムントがスコア、内容ともに圧倒したあの試合には2つの“意義”があった。香川がスター候補として名乗りを挙げたこと。2002年以来優勝から離れていたドルトムントが、チームとして確かな力があると証明したこと。そしてその後、香川は本物のスターになり、ドルトムントは優勝した。いわば、あの試合は黄色と黒の革命だったのだ。

 この試合には、そこまでのインパクトはない。

 それでもなお、ステフェンス監督はこう言って、胸を張る。

「この試合は決勝戦ではない。それはわかっている。それでも、我々はさらに成長していくことが可能だと思っているんだよ」

 まだシャルケはなにも証明していない。だが、この試合がシャルケにとっての水色革命のきっかけだったと振り返る日がくる可能性は、十分にある。

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