野球善哉BACK NUMBER
超アグレッシブな西武の1、2番コンビ。
浅村と秋山はCSで爆発するか?
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/10/10 12:20
9月の好調時には「秋山(翔吾)さんとも『3、4番の前に塁に出ていれば、後はなんとかしてくれる』と話していますから」とコメントしていた浅村。
そのデータが今季の混戦パ・リーグを象徴していたのかもしれない。
レギュラーシーズンのあるデータを見ていると、ひとつ気になった点があった。
今季のパ・リーグでスタメンの1番に100試合以上座った選手が、楽天の聖澤諒しかいなかったのだ。2番も同様で、結局シーズンの半数を超えた選手は数名しかいなかった。
なぜこのようなデータを持ち出すかと言うと、ここ数年のパ・リーグを振り返ると、優勝したチームは必ず1、2番を固定していたからだ。クリーンナップへとつなげる選手が固定されることで、攻撃の土台が出来上がる。
昨シーズンの覇者・ソフトバンクは、本多雄一―川崎宗則のコンビを144試合通して貫いていたし、'10年のレギュラーシーズンを制した時も川崎―本多のコンビで100試合以上組んでいた。'09年の覇者・日本ハムもしかり。田中賢介が1番打者として143試合、森本稀哲が85試合。'08年の西武は片岡易之―栗山巧がそれぞれ130試合以上に出場、攻撃の形を生み出し、中島裕之や中村剛也につなぎ、ペナント、そして日本一を獲った。
浅村栄斗と秋山翔吾の若い2人を1、2番に抜擢した西武。
しかし今季のパ・リーグには、安定した1、2番コンビが存在しなかった。
日本ハムは田中、ソフトバンクは本多を故障で欠く苦しいシーズン。西武は片岡―栗山が相次いで故障、ともに、シーズン中盤以降に戦線を離脱したままだった。
各チーム1、2番の形成に苦労の色が見えた。それが、リーグの混戦につながった要因のひとつといってもいいのではないだろうか。
そんな中、シーズン終盤に面白い1、2番コンビを形成したのが西武だった。浅村栄斗と秋山翔吾の若い2人を思い切って起用したのである。
秋山の2番起用は7月下旬からだが、1番を打っていた栗山の故障離脱のあとは、この2人で続けている。
このコンビの特長は、ともに超攻撃的なバッティングスタイルを持ち味としているという点だ。