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超アグレッシブな西武の1、2番コンビ。
浅村と秋山はCSで爆発するか? 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2012/10/10 12:20

超アグレッシブな西武の1、2番コンビ。浅村と秋山はCSで爆発するか?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

9月の好調時には「秋山(翔吾)さんとも『3、4番の前に塁に出ていれば、後はなんとかしてくれる』と話していますから」とコメントしていた浅村。

走・攻・守の三拍子がそろった玄人好みの選手、秋山。

 大卒2年目の秋山は、斎藤佑樹などが名を連ねる豊作の世代の一人である。

 八戸大時代から特別に注目されたわけではなかったが、走・攻・守の三拍子がそろったユーティリティープレイヤーとして、玄人好みの選手としての評判もあった。昨季は110試合に出場、打率は.233と低かったものの、1年目としては上々の滑り出したった。

 今季はスタートダッシュに遅れた。オープン戦中の故障で戦線離脱を余儀なくされ、開幕は2軍スタート。期待されたシーズンだっただけに、本人にとっても痛いシーズン序盤のつまずきだった。

 だが、4月末に復帰を果たすと、5月からはクリーンナップを任されるようになる。チームの上昇気流にうまく乗ったのである。6月には、またもや怪我で戦列を離れたものの、7月12日に再登録。オールスター明けには2番として起用されるようになった。

2人のアグレッシブな気持ちは、CSで西武を勢いづかせるか?

 浅村と同様、スタイルはアグレッシブな2番打者。

「あまり見かけないコンビですね?」と尋ねると、秋山は少々笑みを浮かべながら、言葉をつないだ。

「例えば、浅村が凡退して、ポンポンとツーアウトを取られるのは、ダメじゃないですか。でも、だからといって、僕はファウルで粘って、四球を選ぶってタイプじゃない。逆に、相手投手は簡単にツーアウトを取りたいと思うので、そこで初球からガツンといっていいんじゃないかと思っています。もちろん、そういう場面でフォアボールを取れるような打者にもならないといけないと思いますが、今の自分ではまとまりたくない。積極性は忘れたくないですね」

 9月27日の楽天戦では、浅村が出塁すると、すかさず二盗。そのあと、秋山の適時打で1点を奪った。今季最終戦となった10月7日のオリックス戦では、1回表、浅村が右翼前安打で出塁すると、定石なら秋山の送りバントだが、渡辺久信監督は、ここで2人にヒットエンドランを命じた。結果は、強い当たりの併殺打に終わったが、この1、2番の目指すスタイルが、クッキリと見えた打席でもあった。

 これまでの常識から考えると、少し変わった1、2番コンビと言えるのかもしれない。また、フルシーズンを戦い抜くという観点においては、彼らにはまだまだ課題もある。だが、これから迎えるCSという短期決戦での戦いでは、勢いに乗った方が有利なのは間違いない。

「浅村と2人で打てば、盛り上がる」と秋山が以前に語ったことがあった。

 超攻撃型の1、2番が打線に火をつけ、チームに勢いをつける。今季のパ・リーグ各球団が最も苦しんだ1、2番という打順だけに、CSの舞台でも彼らが1、2番を組めば、ひと暴れしてくれるかもしれない。

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