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優勝力士も新十両も。
勢い止まらぬ蒙古旋風。
~モンゴル出身力士はなぜ強い?~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKYODO
posted2012/06/16 08:00
白鵬(左)と共にファンの声援に応える旭天鵬。1992年に来日した初のモンゴル出身力士の一人。
「もし相撲がオリンピック競技になれば、金メダルはモンゴルだ」と言われたら、うなずくほかはない。
先の5月場所では、モンゴル出身のベテラン力士、平幕の旭天鵬が涙の初優勝を飾った。史上初の6大関が揃ったなかで、栃煌山との「平幕優勝決定戦」も、これまた史上初のこと。入門21年目、37歳8カ月での初優勝も、最年長記録だった。千秋楽を前に横綱白鵬が4敗を喫し、優勝争いから脱落。誰もが「日本人力士6年ぶりの優勝」の夢を、12日目まで単独トップを走っていた稀勢の里に託していた。しかし幕を閉じれば、賜杯を抱いたのはダークホース―モンゴル力士の「パイオニア」だった。