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部屋数の減少で考えた、
相撲界のあるべき姿。
~角界にとって淘汰は是か非か?~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKYODO
posted2012/05/17 06:00
定年を迎え、部屋をたたんだ大島親方。創設以来、元横綱・旭富士ら10人の関取を育てた。
「先輩たちをはるばるスカウトに来て、日本の相撲界への道をつけてくださった。だからこそ今の僕たちがいるんです」
横綱白鵬と新大関の鶴竜は、元大関旭國の大島親方について、こう感謝の意を表す。モンゴル初の関取となった旭鷲山、旭天鵬を見出した大島親方が、5月場所前に定年を迎えたのだ。後継者として日本に帰化していた旭天鵬が現役続行を熱望したため、部屋は同門の友綱部屋に吸収合併されることとなってしまった。
2004年には55を数えた相撲部屋が、現在は48と、その数を徐々に減らしている。田子ノ浦親方(元久島海)急逝で部屋が消滅する一方、「黒い交際」が問題となって一時閉鎖されていた木瀬部屋が、この4月に再興された。花籠部屋が経営難を理由に、5月場所後、峰崎部屋に吸収合併されるというニュースも駆け巡った。また11月には、定年直前の中村親方(元富士櫻)が、東関部屋の若き師匠に部屋を託す予定でもあり、ここ最近の相撲部屋の動向は慌しい。