ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER

最下位敗退のトゥーロンの収穫とは?
“戦える選手”が見えた関塚ジャパン。  

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2012/05/28 12:50

最下位敗退のトゥーロンの収穫とは?“戦える選手”が見えた関塚ジャパン。 <Number Web> photograph by MEXSPORT/AFLO

2011年4月に五輪代表合宿に呼ばれて以来のプレーとなった宇佐美貴史。オランダ、エジプトと2試合に出場して1アシスト2得点と大活躍した宇佐美だが、「得点以外は全く良くなかった。その悔しさが大きい」とコメントした。

セットプレー時における守備の弱さは改善されず。

 3試合で7失点もすれば、グループリーグ突破などできるはずがない。実際、今大会参加8カ国中、最多だった。その内容もアジア予選で再三、指摘されてきたセットプレーからの失点が目立つ。今回も解消されていないどころか、むしろその弱さは際立っていた。また、左サイドを崩されるケースが非常に多かった。さすがに見兼ねたのか、センターバックの鈴木大輔も「同じサイドを何度も崩された。サイドとクロスの対応を見直さないといけない」と、守備にメスを入れることを公言した。

 失点の時間帯も試合の序盤、後半の入りが多い。これもアジア予選の時から同じ傾向で、まったく解消されていない。「このままでは、全然ダメ。本大会では、もっと攻撃力もあるチームが多い。自分のサイドをやられたことも含めて、守備についてはみんなと一度、話し合う必要がある」と、酒井が言うように、細かいところを突き詰めて、失点を減らさないと、本大会でのグループリーグ突破など、とても覚束ない。

自分たちの拠り所となる攻撃の型の確立を。

 攻撃面では今回、海外組を始めメンバー構成が変化し、本大会生き残りへのアピールの場ということもあって、アジア予選の時より連動性が稀薄になっていた。また、自分たちの攻撃の型も失われてしまっていた。オランダ戦は、流動的に戦うという戦術がはまり、相手を混乱させてゴールを奪うことが出来たが、エジプトのように組織的にパスで崩してくると、なかなかボールが奪えない苦しい時間が増えてくる。その時、カウンターなり、自分たちの拠り所となる攻撃の型があれば、慌てずに戦うことができる。局面局面で、個人のアイデアによる打開は見られたが、それができれば、より多くのチャンスを作ることができるのだ。

 とは言え、収穫もあった。

 ひとつは、国内組が海外組から大きな刺激を受けたことだ。初戦のトルコ戦は、相手の当たりの激しさにビビって、なす術なく敗れた。だが、オランダ戦で海外組が恐がらずに、積極的にプレーする姿を見て、東慶悟は、「前に仕掛けていく姿勢とか、すごく刺激になりました」と、ポジティブなコメントを残している。また、国際経験の少ない彼らが欧州のチームと対戦し、肉体の強さや当たりの激しさを本大会前に感じられたのも大きい。

【次ページ】 戦える選手、そうでない選手がハッキリした今大会。

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