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今野泰幸はガンバを立て直し、
中澤、闘莉王を越えるCBになれるか? 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2012/03/28 10:31

今野泰幸はガンバを立て直し、中澤、闘莉王を越えるCBになれるか?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ガンバの今季に入ってからの5試合の失点は、試合順に3、3、2、2、2と続く。日本代表CBの不動の地位を守るためにも、今こそ今野の奮起が期待される。

代表の“守備の要”に必要なのは“修羅場”の経験!?

 彼はザックジャパンの“守備の要”である。

 アルベルト・ザッケローニのもとでセンターバックのレギュラーとして定着。今年2月の親善試合アイスランド戦でストップするまで、メンバーのなかでただ一人連続フル出場を続けていた。それほど指揮官の信頼を得ているという証でもある。

 高いディフェンスラインの設定は、背後をカバーできる読みとスピードを持つ今野がいればこそ。そのうえ、彼の最大の特徴と言える高いボール奪取能力を活かした守から攻への素早い切り替えが、チームの特徴にもなっている。パスセンスにも長けており、2009年にFC東京のセンターバックに固定して起用した城福浩が「トップ・オブ・センターバック」と評したことも頷ける。身長は178cmと絶対的な高さがなく、当初は判断ミスも少なくなかったが、今野はセンターバックとして飛躍的に成長を遂げてきたと言える。

新生ガンバ5連敗の苦境をチャンスに変えるために。

 とはいえ、A代表でこのポジションを任されるようになったのはザッケローニになってから。また、ザッケローニ体制以前は控えが多かったものの、今はチームの軸となって引っ張っていく立場に変わった。6月からはブラジルW杯アジア地区最終予選がスタートする。センターバックとして修羅場を潜ってきた数が足りないという事実を今野自身も重く受け止めているからこそ、環境を変えようとしたのだろう。

 ゆえに、今の状況は今野にとって苦境であるのと同時に、チャンスだと言い換えることもできる。

 優勝に対する期待が強ければ強いほど、低迷はファン、サポーターの反発を招く。結果が出てこなければ当然ながら守備の再建を託されて加入してきた今野への風当たりも強くなるはず。だが、ここで踏みとどまって今野がイニシアチブを取ってチームの状態を上向かせることができれば、それは今野にとって何事にも代えがたい大きな財産となるに違いない。

「今の自分は、責任感をゲームのなかで出していかなきゃと思っている。責任感というのは存在感を出すということでもあると思う。そこはFC東京でキャプテンをやってから凄く意識するようになっています」

【次ページ】 「チームを“勝たせる”プレーヤーとなる」

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