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今野泰幸はガンバを立て直し、
中澤、闘莉王を越えるCBになれるか?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/03/28 10:31
ガンバの今季に入ってからの5試合の失点は、試合順に3、3、2、2、2と続く。日本代表CBの不動の地位を守るためにも、今こそ今野の奮起が期待される。
「チームを“勝たせる”プレーヤーとなる」
ACLの初戦となった浦項スティーラーズ戦(3月6日)の後も、チームの中心である遠藤保仁と話し合いの場を持っていた。
「あのときは後ろでパスを回すときに相手のフォワードが寄ってきて右に返したんですけど、ヤットさんは“もっと前に運んで、センターバックとサイドバック、そしてサイドハーフの3人で数的優位をつくることはできないか?”と言われて、僕も“ああ、そうだな”と納得できました。試合で課題が出てきたら、ヤットさんとは常にそういった話し合いを持つようにしています。
僕のスタイルというのは、監督の求めるプレーを100%近い形で出してから自分の特徴を出す形。チームのことを考えながらそこはしっかりと出していきたい」
守備はもちろんのこと、攻撃でも存在感を発揮する。そしてプレッシャーに打ち勝って、チームを“勝たせる”プレーヤーとなる。今はまだ結果に表れていないものの、高みを目指す今野が下を向くことはない。
中澤、闘莉王を超えるために、強いガンバを取り戻す!
彼は以前、こんなことを言っていた。
「代表では北朝鮮とウズベキスタンに負けて(自分の立場が)どうなるか分からないし、危機感はありますよ。でも危機感というのは、これまでも持ってきた。日本には中澤(佑二)さんや闘莉王さんとか、いいセンターバックがいますから。だけど、他の選手にはなくて僕にしか持っていないものがあると信じてやっているし、そこで勝負したいと思っています。もっともっとレベルアップを図っていかないといけないですけど」
今野が口に出した、中澤も闘莉王も過去にJリーグMVPを獲得した実績がある。その存在感はクラブチームだけにとどまらず、日本代表でも発揮されたことは言うまでもあるまい。一方の今野は意外にもJリーグベストイレブンに過去、一度も選出されていない。
中澤、闘莉王を超える絶対的な存在感を誇るセンターバックへ――。
暗中模索のガンバ大阪を甦らせてこそ、今野泰幸はその野望に近づくことができる。