青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
特別招待でのマスターズだが……。
石川遼への米マスコミの反応は?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAP/AFLO
posted2012/03/17 08:01
プエルトリコ・オープンを通算14アンダー、米ツアー自己最高の単独2位で終えた石川遼。アジアを背負った戦いをマスターズでも見せられるのか、注目が集まっている。
それでいいのか石川遼、と思う人がいるかもしれない。
それでも頑張れ石川遼、と思う人もいるだろう。
3月6日、石川が特別招待選手として今年のマスターズに出場することが発表された。マスターズ出場権獲得のために世界ランキングを上げようとプエルトリコ・オープンへの緊急参戦を決め、同大会から正念場の3連戦に臨むものとばかり思っていただけに意外なタイミングではあった。
石川が特別招待を受けるのは初出場の2009年以来2度目になる。前回はプロ1年目ながら日本ツアーの賞金ランク5位と大旋風を巻き起こした後に招待された。それに比べて今回は日本ツアーでも以前のようなインパクトを残せていなかった。長く勝利から見放され、苦闘が続いていただけに、日本のファンや関係者の間ではさまざまな反応があるようである。
オーガスタ・ナショナルGCのビリー・ペイン会長は「大会を世界規模のものにするため」「石川の出場が日本だけでなく、アジアでの関心の高まりにつながる」と石川を“特別”扱いした理由を説明した。近年、マスターズは大会を世界的なイベントにするため、アジア市場を重視し続けてきた。そのアイコンとしての役割も石川は期待されているのである。
“付加価値”を含めた石川の実力を関係者は高く評価。
それもプロゴルファーとしての価値である。
実力というのは地道な練習で積み上げることができても、付加価値というのはなかなか思い通りにはコントロールできないものだ。たとえそこにエコノミックな力が働いていたとしても、全てを含めて石川遼の値打ちだ。であれば、胸を張ってオーガスタに行っていいとも思うのだ。
ただし、それも同じ日本人の身びいきと言われるかもしれない。たとえば米国のゴルフ関係者なら今回の特別招待に対する視線はもっと冷ややかなのかもしれない。