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あの頃、日本は元気だった。
新橋・虎ノ門・浜松町は昭和の香り。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2010/03/19 06:00

あの頃、日本は元気だった。新橋・虎ノ門・浜松町は昭和の香り。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

街乗りに最適。折りたたみ自転車は14万円、チタン製。

 さて、私個人のことを言うなら、ウィークデイながら、本日は退社が早いのである。私は赤坂のテレビ局に勤めているのだけど、週に一度「今日の業務は午前中でおしまい」という日がある。それが本日。そのかわり朝がチョー早い(というか前日のお昼過ぎから)。

 ただね、私は案外、週に一度のこの日が楽しみで、会社がはねたら、すぐに自転車に乗って、都内各地へちゃりちゃりと出かけてしまう。

 本日の自転車はイギリス製の「ブロンプトン」という自転車である。重量10.5kg、たたむと驚異の小ささになるフォールディングバイク界屈指の名車だ。写真を見ていただければ分かるが、こんなに小さくなるにもかかわらず、ホイールベース(前輪と後輪の距離)は長い。つまり、乗り心地や直進安定性が犠牲になってない。

 ここがブロンプトンのすごいところで、この自転車はとにかく初心者に向いているといえる。乗り味が自然だから。極端な話、ママチャリから乗り換えた人でも、さほどの違和感を感じないだろう。スポーツ的な「前傾姿勢」もさほどではない。それなのにママチャリの倍、スピードが出る。

 ドロップハンドルじゃないから、それほど乗るのに気合いがいらない。レーパン&レースジャージも必要ない。それどころか、ジャケットやハーフコートなどを羽織って乗った方が似合うくらいだ。

 私ツーキニスト疋田としては、この東京で、もっと売れてもいい自転車だと思うなぁ。ただまあお値段は少々お高くて、スタンダードタイプのもので14万円ちょっと。私が乗っている写真のコレは26万円程度だ。ただ、私のモノは素材にチタンを使っているから殊更に高いというだけで、通常は14万円のモノで十分以上だし、見た目も機能もほぼ変わらない。

 それでも「自転車に14万円?」と目を剥く人が多数ではあろう。残念なことにそれが日本の現状ではある。その気持ちはワカランではないが、しかし、正直なことを申し上げるなら、良いものは高いし、安いものは悪いのである。そして、日本のママチャリは安すぎるし、こう言っちゃなんだが、オランダやドイツなど世界的な水準で見るなら90%が「粗悪品」に当たっている。これは事実だ。

「財団法人」「独立行政法人」のオンパレード。

 さて、新橋をちょっと越えて、汐留とは逆方向に外堀通りを走っていくと、すぐに虎ノ門に出る。虎ノ門というのは、いわば霞ヶ関の入り口のようなところで、ここがいわば「新橋の国境線」だろう。

 虎ノ門といえば全国区で言うと「虎の門病院ってのがあるよね、よく政治家が入院するところ」というイメージだろうし、都心の感覚で言うと「虎ノ門? ああ、文部科学省の交差点があるところね」ということになる。双方正しい。つまり虎ノ門は、永田町そして霞ヶ関、すなわち日本政官界の中枢の玄関口というような風情の街なのだ。

 よく見ると、そういった官庁の天下り先(?)が、このエリアにはうようよある。ビルの看板をちょっと見るだけで「財団法人」「独立行政法人」のオンパレード。そのビルがいちいち古くて、ふーむ、この国の数十年来(百数十年来?)の政治文化というものを感じさせてくれる。この界隈の人々は、昨今の事業仕分けなんかについて、もしかしたら新橋の飲屋街で愚痴ってるかもしれないね。

【次ページ】 日本自転車会館を発見。「ビルヂング」の風情を満喫。

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