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<コパ・アメリカ敗北を受けて> 代表OBが語るセレソン。 「ブラジルには明日がある」
text by
竹澤哲Satoshi Takezawa
photograph byKeita Yasukawa
posted2011/08/12 08:00
メディアから痛烈な批判を浴びた準々決勝敗退という結果を、
かつての名選手や名監督たちはどう捉えているのか。
3年後の母国開催W杯では大丈夫なのか。彼らのもとを訪ねて聞いた。
かつての名選手や名監督たちはどう捉えているのか。
3年後の母国開催W杯では大丈夫なのか。彼らのもとを訪ねて聞いた。
陽が沈むと、それまで夕焼けで影絵のように黒く浮き上がって見えた奇岩、ポン・ジ・アスーカルもいつのまにか暗闇の中に消えていた。リオデジャネイロのリゾート地、コパカバーナビーチ。ここには一年中、外国人旅行者のみならず、ブラジル各地から多くの観光客が集まってくる。だが、この夜、カフェテリアのテレビ画面に映し出された光景は、バカンスに訪れた人々が期待していたものではなかった。
7月17日に行なわれたコパ・アメリカ準々決勝、ブラジル対パラグアイ戦は、120分の激闘を終え、0対0。決着はPK戦に持ち越された。ところがここで信じられないことが起こってしまう。4人のブラジル人キッカーがことごとくPKを外し、敗退が決まったのだ。パラグアイの選手たちが歓喜の声を上げた瞬間、人々は大きなため息をつき、黙ったまま、ひとりふたりとテレビの前から離れていった。
翌日のブラジル各紙が揃って使った単語は「ヴェルゴーニャ(恥ずかしい)」。ブラジル版マルカ紙は、一面にペレの足形の写真を載せ、「この足は代表において一度もPKを外さなかった」と皮肉った。
ワールドカップ優勝経験者たちがメディアに寄せた批評も痛烈なものだった。
例えば、'70年大会に優勝したセレソンの主将カルロス・アウベルト・トーレスはこうコメントしている。