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ブランコ、爆発の秘密は
“利き目”にアリ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2009/07/31 11:30
ブランコは前半戦、打率.295、本塁打28、打点74で、セ・リーグの本塁打、打点の二冠となっている
ブランコを導いた落合監督の打撃理論とは。
落合監督の打撃理論の一つに「両目でボールを見ろ!」というものがある。
「バッティングの基本はまずボールをきちっと目で捉らえること。そのためには片目ではなく両目で見たほうが有利だ」
そのために投手に正対するオープンスタンスは理にかなっている。落合監督自身もやや体を開いてバッターボックスに立ってきたのはそんな理由があった。
「ただブランコの場合はオープンスタンスにしてもっとボールが良く見えるようになった理由があった。それは彼の利き目が右だったからなんです」(前出球団関係者)
右打者がスクエアに立つと投手に対して利き目の右目が遠くなり、見やすい左目でボールを捉らえようとする。正確性が落ちるのは当たり前のことだった。それがスタンスを開いて頭が投手と正対しやすいように立つと、利き目でしっかりとボールを捉らえられるようになる。オープンスタンスで打席に立つようになってからのブランコは、変化球の見極めも良くなりボールに対する対応能力が大きくアップした。その後の活躍はもはや細かく書く必要はないだろう。
ブランコの活躍で実証された落合監督の“利き目”の凄さ。
「アイツはウッズより上。必ず打つ」
4月のどん底にも落合監督はこう言ってブランコを打線から外そうとはしなかった。その期待に応えた助っ人の年俸は3000万円にも満たないのだから、中日にとってはいい買い物となった。
そう考えたら選手を見る球団と指導者の目がいかに大切なことかも思い知らされる。中日と落合監督はしっかりと“利き目”で選手を見ていたということなのだろう。