青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
石川遼のパットの問題点とは?
不振の先にある、大変身への予感。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byDaiju Kitamura/AFLO SPORT
posted2011/06/08 10:30
「(パッティングの)ストロークがまだ安定していないので、こういう時もあるんだなという感じでやっていました」と大会後にコメントを残した石川
「前半戦はパットに苦しむかもしれない」(石川勝美)
ダイヤモンドカップではライ角を変えたパターを導入したが、合わないとみるや次戦ですぐに元のパターに戻した。4月までの米ツアー遠征、特にマスターズ3日目にパットがショートしまくって上位から脱落した苦い経験を生かし、ラインの読みにも若干の変更を加えた。試行錯誤は続いている。
コーチである父の勝美さんは4月の国内ツアー開幕戦の時点で「今週からパットもやり直してるから、前半戦はパットに苦しむかもしれない」と話していたから、グリーン上での不振もある程度は織り込み済みかもしれない。
だが、パターは考えれば考えるほど迷路にはまりやすいクラブでもある。磨き方次第では輝けぬままになることもある。昨年までとは比べものにならない真剣さで練習に取り組んでいるからこそ、悩みも深くなる。
パターだけでなくアイアンも変えることにした石川遼。
「人によっては、ストロークの時に頭が動く人も足が動く人もいる。だから一概にこれが正しい形という定義はない。でも、世界のトップの選手はみんな素振りと変わらないストロークでボールを打つことができている。究極のイメージは素振りと同じフォームで打つこと。それさえ揺るがなければ、迷うことはないと思う」
この本人の弁を信じるならば、しばらくは自らの技術不足を肝に銘じ、入らないストレスに耐え続ける日々を続けるしかない、ということなのだろう。
だが、石川はアイアンも5月の日本プロ選手権日清カップヌードル杯でキャビティータイプからマッスルバックに変えている。
使い始めてまだ1カ月。距離感などを含めて新しいクラブを完全に手になじませるには、それなりに時間がかかるのが当然。パターと同時並行して新しいアイアンの精度も高めていかなければならない。
そうした課題をいくつも抱えつつ、石川は日本ツアー選手権からさらに別の試みまで始めてしまった。それが0番アイアンを積極的に使ったコースマネジメントだ。