オリンピックへの道BACK NUMBER
女子カーリングの未来を担えるか?
注目の新チーム「フォルティウス」。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakaomi Matsubara
posted2011/05/10 10:30
ラテン語で「より強く」という意味のチーム名「フォルティウス」。メンバー全員が常呂町出身の4人は、どこまで絆を深め、強くなれるか?
先日、カーリングの新しいチームの結成が発表された。札幌を拠点とする「北海道銀行フォルティウス」である。
このチームの今後は、日本のカーリングの将来にとっても、大きな意味がある。
昨秋、トリノ五輪後休養していた小笠原歩、船山弓枝が現役復帰を表明し、吉田知那美がメンバーに加わることを会見で明らかにしていたが、今回、小野寺佳歩が加わり、フォルティウスはスタートを切った。吉田と小野寺は19歳。小笠原、船山とひとまわり年齢の異なる若い選手だ。
中学、高校時代ともにプレーしていた2人のチームは、中学2年のときの日本選手権で、トリノ五輪から帰国した小笠原(当時は小野寺)、船山(当時は林)らのチーム青森を破る快挙を成し遂げ、脚光を浴びた。小野寺はカーリングのかたわら、高校2、3年生時には陸上で高校総体に出場。現在は中京大学陸上競技部に所属し、7種競技に打ち込んでいる。陸上とカーリング、掛け持ちで取り組むことになる。
「4年、8年、12年と息の長いチームでありたい」と小笠原は語る。
チーム名のフォルティウスは、小笠原と船山が、目黒萌絵、寺田桜子とともに、青森で立ち上げたチームの名前でもある。
同じ名前を継ぐ理由を、「私と船山さんが第2のカーリング人生をスタートするにあたって、私たちにとって思い入れのある大好きなチームの名前を使いたいと思っていました。目黒さん、寺田さんにも了解を得ていまして、彼女たちは、『私たち、北海道銀行フォルティウスの一番のファンになるから、ぜひとも使ってほしい』と言われ、使わせていただきました」と説明する小笠原は、会見の席でこう言った。
「前回のチームを超えるチームワークを作りたいです」
「4年、8年、12年と息の長いチームでありたいと思っています」
そして船山は、このように語った。
「カーリングはチームワークが大事ですので、少しでも長い時間をすごして、よい結果を残せたらと思います」
2人の言葉から浮き彫りになるのは、チームワークを大切にし、長期的に活動していくという思いだ。
そこに、大きな意味がある。