オリンピックへの道BACK NUMBER
世代交代が進まない日本ジャンプ陣。
お家芸復活のために必要なのは?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2011/03/16 10:30
初代表で6位入賞した14歳の高梨沙羅。「こんな濃い霧の中で飛んだのは初めて。1回目は失敗でした」 2014年のソチ五輪で正式採用される最有力候補の女子ジャンプ、今後の成長に期待
ノルウェー・オスロで開催されていたノルディック世界選手権が終わった。
ジャンプの女子では14歳、初代表の高梨沙羅が、クロスカントリー男子団体でも日本が史上最高の6位入賞を果たし、手ごたえをつかんで終えた種目もある。が、総じて苦しい大会となった。
とくに2007、2009年の世界選手権で、連続して団体銅メダルを獲得していた男子のジャンプは、今大会、ノーマルヒル団体5位、ラージヒル団体6位。個人戦では伊東大貴のノーマルヒル13位、ラージヒル18位が最高と、浮上のきっかけをつかめずに終わった。
ジャンプの男子と言えば、1998年の長野五輪での大活躍をはじめ、'90年代半ばから数々の好成績をあげ、黄金時代を築き上げていた。当時を思えば、今日の成績はどこか寂しい。
「やっぱりルール変更が痛かった。あれからおかしくなっちゃいましたからね」
ある関係者は、こう言って嘆いた。
長野五輪以降の「146%ルール」は本当に“日本叩き”なのか?
ルール変更とは、長野五輪後に導入された、いわゆる146%ルールである。どういうことかというと、それまで、身長+80cmの長さまでスキー板は認められていたのに、身長の146%までに変更されたのである。
従来のルールなら、身長が170cmの選手の場合、250cmまでのスキー板が可能だったものが、248cmになる。逆に180cmの選手は、260cmまでだったのが、263cmと伸ばせる。
ジャンプは浮力も重要な鍵になる。数cmの板の長さの違いも大きな要素だ。実際、このルール変更後に日本の低迷は始まった。日本叩きだと言われたこともあった。
その後も過剰な減量を禁じるために、体重もスキー板の長さと関連付けるようにするなど、ルールはさらに変わったが、今なお、長野後のルール変更を低迷の原因に求める人は、まれではない。
だが、果たしてそうなのか。
昨年のバンクーバー五輪で2つの金メダルを獲得したシモン・アマンは172cmと、ふつうの体格であることをどう捉えるのか。