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「皐月賞もモレイラだ…」“単勝1.5倍”クロワデュノールはなぜ敗れたのか?「じつはミュージアムマイルにも不利があった」勝負を分けた“ある要因”
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島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/04/21 17:02

名手ジョアン・モレイラに導かれレースレコードで皐月賞を制したミュージアムマイル。断然人気のクロワデュノールは2着に敗れた
クロワデュノール「ダービーでの逆襲」はあるのか?
ところで、今年の皐月賞が出入りの激しいレースになったのは、レース史上初めて、内埒がAコースより6m外に設置されるCコースで行われたことも影響していたのではないか。AコースやBコースのようにインコースの芝が傷んでいると、外を通ろうとする馬もいてバラけるが、内と外の馬場状態にあまり差がなくなると、コースロスのない内に馬群が集中する。それでアクシデントが起きやすくなったのかもしれない。
結果が示しているように、向正面の不利で受けたダメージは、ミュージアムマイルより、クロワデュノールのほうが大きかったようだ。ミュージアムマイルが6戦目、クロワデュノールが4戦目というキャリアの差もあったのか。1馬身半も差がついたのは意外だったが、いわゆる「切れ負け」したという感じだった。イクイノックスだって、皐月賞では同じようにかわされ、1馬身差の2着に敗れている。不利を受けながらも勝ちに行く競馬をしたクロワデュノールが、「負けて強し」の走りを見せてくれたことは確かだ。
ダービーではどんな戦いが繰り広げられるのか。今週で短期免許での騎乗が終わるモレイラは、スケジュール調整のことを抜きにすれば、またミュージアムマイルに乗りたいと話している。鞍上がどうなるのかも含め、注目したい。

