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チーム打率は1割台…低迷する中日打撃陣でブライト健太に高まる“待望論” 救世主になれる? 覚醒気配の25歳に感じた大学時代との「ある変化」
posted2025/04/18 06:00

今季、徐々に覚醒の気配を漂わせている中日4年目のブライト健太。打撃不振に悩むチームを救う起爆剤となれるか
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
3季続けてペナントレース最下位に終わった中日が、今季も苦しい立ち上がりだ。井上一樹新監督を迎えて捲土重来を期したが、ここまで不本意な最下位争いを繰り広げている。中でも深刻なのは、チーム打率が1割台に沈む貧打。だが、そんな打撃陣の救世主になるかもしれない25歳が、覚醒の兆しを見せ始めている。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
4月6日、ヤクルト・中日戦、5対5の同点で迎えた7回だ。
ヤクルトの中継ぎ右腕・小澤怜史投手の147キロの速球。シュート回転して中に入ってきたように見えたボールを、中日・ブライト健太左翼手が、両腕をとっさにたたみ込んで振り抜いたバットから、今季1号ホーマーが勝ち越し弾となって、左翼方向へ飛翔していった。
よく晴れた神宮球場の青空を、打球が白い放物線を描いてレフトスタンドめがけて飛んでいくのを眺めながら、私はちょっと懐かしい気持ちになっていた。
4年前…ブライト健太、大学生時の記憶
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そうだ、あのときもこんな打球だったなぁ。
眺めている場所も、同じように三塁側ダグアウト上方だったから、ホームランの軌道がそっくりなのも、よくわかった。
もう、そんなに前になるのか。記憶をたどるその先は4年前、2021年になっていた。
世の中が、まだ「コロナ」に振り回されていた頃だ。
その年も、6月の「全日本大学野球選手権大会」は行われていた。