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大阪桐蔭野球部の新入生が一番驚くことは? 「最強世代」で最初にブレークした“スーパー1年生”が振り返る16歳の衝撃「1日を乗り越えるのに必死で…」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2025/04/14 11:03

大阪桐蔭野球部の新入生が一番驚くことは? 「最強世代」で最初にブレークした“スーパー1年生”が振り返る16歳の衝撃「1日を乗り越えるのに必死で…」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

大阪桐蔭「最強世代」メンバーの山田健太内野手

「結果が出ない時に野球ノートのコメントでよく『もっと山田らしさを出せ』というような言葉を書いてくださったんです。最初はあまりピンと来なかったのですが、“らしさ”って何だろう、と考えていく中で自分を見つめ直すきっかけになりました。失敗を怖がって消極的にプレーするのではなく、もっと明るく堂々と振る舞うことが大事だなと思って。そこから目先の結果ではなく、積極的に失敗を恐れずやっていこうと考えられるようになりました」

 振り返れば、西谷監督はよく“余白のある言葉”を投げかけてくれたと山田は言う。正解を突きつけるのではなく、選手が自分と向き合うことで成長することを期待していたのだろう。

「結局は考えることが一番大事で、色々なことを試したり、何かを信じて継続していく中で変わっていくものがあるのだと思う。これをやれ、というような言葉ではなく、自分で考えるためのヒントをいただいたな、と思っています」

「これが甲子園なんだ!」

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 迎えた2017年、2年春のセンバツ大会で山田は鮮やかな甲子園デビューを飾る。1回戦の宇部鴻城戦で、レフトスタンドに2ランホームランを放ったのだ。同学年の2年生5人が先発メンバーに名を連ねた試合で、公式戦初本塁打が飛び出した。

「これが甲子園なんだ! って。お客さんも沢山入っていて、その中で自分もホームランを打てたことは今でも心に残っています。緊張感もありましたけど、何よりものすごく楽しかったです」

 履正社との「大阪頂上決戦」となった決勝を制し、センバツ優勝を果たす。山田は5試合全てでスタメンに名を連ね、21打数12安打8打点の大活躍。その甘いマスクで女性ファンからの注目も集めた。大阪桐蔭「最強世代」の快進撃がここから始まっていく――。(つづく)

#2に続く
「練習試合にも観客が殺到」「根尾と藤原の影響は大きくて…」山田健太が語る大阪桐蔭「最強世代」のリアル「今思えば“非日常”を味わっていたような…」

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