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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
“専属契約なし・取材パスなし”で引っ張りだこの「ノーブランド」野球解説者・五十嵐亮太のサービス精神の源流は「野村克也監督の嫉妬深さ」!?
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/04/11 11:02

MLB開幕シリーズの解説を務めた五十嵐亮太さん。波瀾万丈の選手生活からいっそう自由な解説者人生の「源流」とは?
「各局に出させていただいていたら、昔の方法に慣れている方に、ちょっとありえないってびっくりされたり。確かに、専属契約だからこそできる仕事もあると思うので、どちらがいいということでもないでしょうけれど、僕はこのスタンスで楽しくやらせてもらっていますし、今のところ仕事もいただいているので」
セ、パ、メジャーを経験した強み
五十嵐さん自身はなんでもないことのように話すが、こうして引っ張りだこになるのは、各メディアのさまざまな要望に応えられる、幅広い引き出しがあるからこそだろう。
「そこは、やっぱりセ・リーグ、メジャー、パ・リーグを全部経験したことがすごく良かったと思っています。起用する側も、経験がないよりはある方がいい、ということもあるでしょうから」
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160キロに迫る剛球で「速球王」と呼ばれたスワローズ時代。そして2010年から12年には、メッツをはじめMLB4球団を渡り歩いた。帰国後もホークスで18年までブルペンの一角として活躍し、最後はスワローズに復帰して20年に引退。
そして現在は、メジャー解説者としてNHKの『ワースポ×MLB』の常連であり、ホークスの専門番組で選手たちと仲良く語り合ったかと思えば、スワローズの「CREWナビゲーター」として神宮球場のライトスタンドで応援するという軽やかさである。
全ての在籍チームが大切な経験
「やはり最初と最後に在籍したので、スワローズのイメージが強いとは思うんですけれど、ホークスでも、一緒に戦ったチームメイトや監督、コーチもまだ揃っていますし、ホークス時代も僕にとってすごく貴重ないい時間でした。
もちろん、ヤクルト一筋の古田敦也さんみたいに一つの球団でやり切るというのは美しいことだし、なかなかできることじゃありません。でも、まあ僕の場合はそうじゃなかった、というだけのことで。日本の社会自体も、一つの企業で勤め上げるというだけではない時代になってきましたよね。僕にとっては全てのチームが大切な経験でしたし、どこが大事っていう偏りもない。多分、それで今、いろんな仕事をいただけている部分もあると思うんです」
具体的な根拠があるわけではないが、五十嵐さんをはじめ、その古田氏や、高津臣吾監督、真中満氏など、スワローズOBには言語化する力、サービス精神に優れた人物が多いように思える。そこに五十嵐さんが何か感じる共通点はあるだろうか?