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「素晴らしいストーリーだ」衝撃の魔球も話題に…菅野智之「35歳メジャー初勝利」をなぜ米メディアは評価する? 現地に根付く“挑戦文化”のリアル 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/04/11 06:01

「素晴らしいストーリーだ」衝撃の魔球も話題に…菅野智之「35歳メジャー初勝利」をなぜ米メディアは評価する? 現地に根付く“挑戦文化”のリアル<Number Web> photograph by JIJI PRESS

35歳でメジャー初勝利を挙げたリアル「オールド・ルーキー」菅野智之。ベテランのチャレンジを“歓迎”する米国文化の中で、徐々に存在感を出していくのかもしれない

 変化量が大きく「魔球」とまで言われるスイーパーと、持ち前の正確無比なコントロールを武器に、2度の登板では先発投手として安定した投球を見せている菅野。30歳半ばという年齢でのメジャー挑戦には現地でも懐疑的な声はあったが、いまは現地ファンをはじめ多くの野球ファンに好意的に受け入れられつつある印象がある。

「セカンドチャンス」に寛容なアメリカ

 アメリカのプロスポーツ界では、こうしたベテランの活躍など、いわゆる「セカンドチャンス」への寛容さが根づいている。ジム・モリスの例はその象徴だが、野球以外の競技も含め、ほかにも数多くの遅咲きアスリートがチャンスを掴んできた。

 全米人気No.1スポーツでもあるアメリカンフットボールのNFLで語られる伝説のひとつが、アリゾナ・カージナルスなどで活躍したクォーターバックのカート・ワーナーだ。大学卒業後、NFLの舞台に上がれずスーパーマーケットで時給5ドルで働いていた彼は、4年後にようやくNFLに辿り着き、スーパーボウル制覇とMVPを獲得するという奇跡を成し遂げた。

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 また、ダグ・フルーティーも忘れられない存在だ。小柄な体格を理由にNFLから評価されず解雇され、一度はカナディアンフットボールリーグ(CFL)へと転身した。そこで最優秀選手賞を獲得し、36歳になってから再びNFLに挑戦。結果を出したことで、オールスターゲームであるプロボウルにも選出された。

【次ページ】 「オールド・ルーキー」が活躍したら…ドラマティック?

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