酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
防御率0.98今永昇太「メジャー殺しで低い故障リスク」の遅い速球…大谷翔平サイクル未遂だけでなく「じつは藤浪晋太郎と青柳晃洋がマイナーで好投」
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byMatt Dirksen/Getty Images
posted2025/04/09 06:00

メジャー2年目も快調なスタートの今永昇太。強みのフォーシームと変化球で、強打者をきりきり舞いにしている
MLBは昨年、近年の投手の高速化によってトミー・ジョン手術など、投手の肩肘の故障、手術のリスクが高まっているという報告を出した。
そんな中で今永は平均150km/h未満の「遅いフォーシーム」で快投を続けている。投手のフィジカルには個人差はあるが「故障のリスクが低い」見立てもあり、そのことも強みになるだろう。
やや不調かと思いきや…サイクル未遂の大谷
この1週間、活躍を見せたのは今永だけではない。他の日本人メジャーリーガーの成績を振り返ろう。
ADVERTISEMENT
〈大谷翔平/ドジャース〉
2025年 12試45打14安4本5点2盗10球10振 率.311 OPS1.080
今週 6試合 24打8安2本3点0盗3球6振
4月1日ブレーブス戦 4打1安0本0点0盗0球0振
4月2日ブレーブス戦 5打3安1本1点0盗0球0振
4月4日フィリーズ戦 4打1安0本0点0盗0球1振
4月5日フィリーズ戦 3打0安0本0点0盗1球1振
4月6日フィリーズ戦 4打0安0本0点0盗1球3振
4月7日ナショナルズ戦4打3安1本2点0盗1球1振
2試合連続無安打から、トランプ大統領を表敬訪問した直後の7日ナショナルズ戦は内野安打、2ラン本塁打、フェン直三塁打とあわやサイクルヒットの大当たり。ただ大谷は例年、MLBトップクラスの190km/hを出しているが、今年はまだ最速で182km/h程度。打球角度も上がらず、バレルゾーンの打球が少ない。本調子ではないというべきか。それでも結果を残すのは恐るべきだが――1番打者だけに打点はソロ、ソロ、ソロ、2ランの本塁打による5打点だけ。このペースが続くと、打点王はかなり厳しそうだ。
〈鈴木誠也/カブス〉
2025年成績 13試52打13安4本12点1盗10球21振 率.250 OPS.884
今週 6試合22打7安3本9点0盗6球6振
4月1日アスレチックス戦 5打2安1本3点0盗0球1振
4月2日アスレチックス戦 5打3安2本5点0盗1球1振
4月4日パドレス戦 3打0安0本0点0盗1球1振
4月5日パドレス戦 3打0安0本0点0盗2球2振
4月6日パドレス戦 3打0安0本0点0盗2球1振
4月7日レンジャーズ戦3打2安0本1点0盗1球0振
早くも4本塁打。打球速度は大谷より速い最速185.1km/hを記録し、長打力を発揮しているが、三振数21はリーグ1、振り回しているという印象だ。パドレス戦では警戒されて3試合で5四球。無安打に終わったが、7日のレンジャーズ戦は2安打1四球と勝利に貢献。
由伸がローテの中心、朗希のストライク率は?
〈山本由伸/ドジャース〉
2025年成績 3登1勝1敗16回11安2本6球19振 率1.69
4月4日フィリーズ戦 6回3安0本3球5振 責0(97-58)●
4日は、強打のフィリーズ打線を抑え込み6回1失点だったが、味方の援護がなく負け投手に。慎重に投げたためか与四球3と多かったが、10個のゴロアウトを奪うなど打たせて取る投法で辛抱強く投げた。フォーシームは最速157km/hを記録。ブレーク・スネルが左肩炎症でIL(負傷者リスト)に入る中、ローテの中心になりつつある。