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防御率0.98今永昇太「メジャー殺しで低い故障リスク」の遅い速球…大谷翔平サイクル未遂だけでなく「じつは藤浪晋太郎と青柳晃洋がマイナーで好投」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byMatt Dirksen/Getty Images
posted2025/04/09 06:00
メジャー2年目も快調なスタートの今永昇太。強みのフォーシームと変化球で、強打者をきりきり舞いにしている
〈佐々木朗希/ドジャース〉
2025年 3登0勝0敗8.2回7安0本11球9振 率4.15
4月5日フィリーズ戦 4回3安0本2球4振 責1(68-41)
5日のフィリーズ戦、68球のうちスプリッターは28球(41%)でストライク11球(39%)。3月19日のカブス戦はスプリッターを15球投げてストライク3球(20%)、29日のタイガース戦はスプリッター14球でストライク4球(28.6%)だから、少しずつストライクが取れるようになっている。最速157.9km/h、100マイルは出なかった。あと3人で勝ち投手だったがそれを託する信頼感はまだなかったといえよう。
〈菅野智之/オリオールズ〉
2025年2登1勝1敗9.1回9安1本3球5振 率2.89
4月5日ロイヤルズ戦 5.1回5安1本1球4振 責1(89-59)〇
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5日のロイヤルズ戦でMLB初勝利。菅野のツーシームはMLBではシンカーとなる。最速150km/hながら2400超の高回転ボールが有効だ。スイーパー、スプリッターと球種も多彩。制球力もあり、かつての黒田博樹のような安定感ある先発になりつつある。
〈菊池雄星/エンゼルス〉
2025年 2登0勝1敗12回9安3本5球11振 率4.50
4月2日カージナルス戦 6回4安2本5球6振 責3(104-59)
2試合連続のQS(クオリティスタート/6回自責点3以内)、先発の最低限の責任を果たしたといえる。一方で2日のカージナルス戦は9人もの走者を出した。最速143km/hの高速スライダーは威力があるが、制球が安定せず打者に見られる傾向にある。
マエケン、松井の救援陣は苦難と我慢の時
〈千賀滉大/メッツ〉
2025年 2登1勝1敗10回8安1本3球12振 率1.80
4月1日マーリンズ戦 5回3安1本1球8振 責2(77-49)●
4月7日マーリンズ戦 5回5安0本2球4振 責0(77-47)〇
ホームとロードでマーリンズ戦に投げる。7日の登板で今季初勝利。いわゆる「お化けフォーク」を見極められた感があったものの、最速155km/hのフォーシームが有効だった。四球が少ないのもプラス要素。メッツはピーターソン、メギルと先発陣が好調。これに千賀も加わった。
〈前田健太/タイガース〉
2025年2登0勝1敗3回6安1本2球4振 率15.00
4月4日ホワイトソックス戦 1回4安0本1球1振 責3(34-18)
ホワイトソックス戦の8回に登板。1安打1四球を許しながら、この回は無失点。しかし9回、二塁打、安打、二塁打と畳みかけられ降板した。中継ぎとして苦しんでおり、相当厳しいところに追い込まれている。
〈松井裕樹/パドレス〉
2025年 4登0勝0敗4回1安0本2球8振 率0.00
4月1日ガーディアンズ戦 0.2回0安0本2球2振 責0(20-8)
4月4日カブス戦 0.2回1安0本0球1振 責0(19-15)
開幕から無失点を4試合続けているがセーブ、ホールドシチュエーションでの登板はなく、まだ「中継ぎ」の扱い。チームは元阪神のクローザーのスアレス、アダム、ペラルタがまだ無失点。救援陣の層は厚く、松井には我慢の時が続く。
青柳と藤浪…じつはマイナーで好投中
以下、メジャーで出場のない選手にも触れる。パドレスのダルビッシュ有とレッドソックスの吉田正尚は依然ILに入っている。
ナショナルズ傘下AAAロチェスターの元中日・小笠原慎之介は、4月1日には6回自責点1と好投し1勝を挙げるが、6日は4回7被安打1被本塁打自責点6と大炎上し黒星。防御率は6.30。メジャー昇格が遠のいた。マイナー契約の元阪神・青柳晃洋は、フィリーズ傘下のAAAリーハイバレーで4月1日に救援登板、1回1与四球も無失点、4日の登板も1回1被安打1与四球も無失点。初登板では0.2回自責点1で防御率13.50だったが、これを3.38まで引き上げた。
同じくマイナー契約の藤浪晋太郎はマリナーズAAAのタコマで1日、5日と救援登板し、いずれも1回2奪三振で無失点。通算防御率を3.00とした。〈メジャー特集:つづく〉

