- #1
- #2
モータースポーツPRESSBACK NUMBER
レッドブル昇格も「平常心が保てている」角田裕毅の鈴鹿GP“合格ライン”はどこだ? 元F1ドライバーは「入れ替わったローソンに負けても…」
posted2025/04/04 17:19

東京ショーランではかつてのチャンピオンマシンRB7をも即座に乗りこなした角田。果たして鈴鹿での“合格ライン”は?
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Kiichi Matsumoto
ここまでチャンピオンカーに近い車に、日本人ドライバーが乗ったことなどいまだかつてない。開幕2戦でのリアム・ローソンの不振を受けて、角田裕毅が急遽レッドブルの王者マックス・フェルスタッペンの同僚へと昇格し、F1ファンには静かな熱狂が巻き起こっている。鈴鹿GP直前、東京から角田フィーバーを追った——!〈全2回の2回目/はじめから読む〉
3日前のトークショーでは、「今回、日本GPで表彰台に乗りたい。それが目標です」と一応のリップサービスもしていた角田だったが、この日のショーラン後にはそれすら口にしなかった。
「あまり表彰台とか言いたくない。そこも一応頭の隅では狙いつつも、まずはQ3とポイントを目指していきます」と極めて現実的だった。
急遽セッティングされた記者会見には120媒体、200人近いメディアが詰めかけた。昇格のオファーを受けた時のことについて質問されると、「具体的なプロセスは控えたい」としつつ、淡々と状況を説明した。
「僕的には考えるまでもなかった」
ADVERTISEMENT
「最初に電話がかかってきたのは、(チーム代表の)クリスチャン・ホーナーからでした。元々、中国GPの後にシミュレーターに乗るためにイギリスに行く予定でした。もしかしたら、そういうこと(昇格)があるかもしれないから、準備していて欲しいと。当初はイギリス滞在は1日の予定だったのを延ばして、その間にホーナーさんから面と向かって『日本GPからレッドブル・レーシングで走ることになる』と言われました」
その言葉も冷静に受け入れたという。
「僕的には考えるまでもなかった。トップチームからのオファーは、人生でなかなか巡ってくることのない機会。即、返事をしました」
淡々と説明する様子に気負いがなく、緊張もない。虚勢も張らない。ひょっとして自信もないのだろうかと心配してしまうほどだが、それは今シーズンの角田が見せてきた成熟した姿にも通じているように思えた。