レッドブル昇格も「平常心が保てている」角田裕毅の鈴鹿GP“合格ライン”はどこだ？ 元F1ドライバーは「入れ替わったローソンに負けても…」 

ピーキーなレッドブルに合わせられるか

　フェルスタッペン好みの仕上がりで、他の人にはなかなか乗りこなせないと言われるレッドブルのマシン。その挙動の不安定さがローソンを含めたこれまでのセカンドドライバーを苦しめてきた。突然の乗り替わりで対応できるのか不安視する向きも多い。ただ、中野はシーズン途中での交代も角田にとっては追い風ではないかと言う。

「ローソンが低迷していたので、裕毅としてはプレッシャーが軽くて済む。まずはトップ10に入れれば素晴らしいし、力まずに走れる環境は整っていると思います。ブレーキの踏力、タイミング、抜き方、ステアリングの切り方、スロットルの開け方、全部にドライバーそれぞれの癖があって、全てがデータで見えてくる。

　今回の交代はリアムの能力ではなく、スタイルが合っていないからとの判断。このまま引っ張っても時間がかかってしまうので、それならスタイルがマックスに似ているだろう裕毅を乗せた方がメリットがあるとチームは考えたんでしょう」

鈴鹿へ向かう新幹線車内で取材対応した中野信治氏　©Keigo Amemiya

フェルスタッペン離脱という可能性

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　元ホンダ・レーシングF1技術開発総責任者の浅木泰昭は、角田がチーム内で求められるであろう別の役割を指摘した。

「レッドブルも（セルジオ・）ペレスやローソンが遅いのではなく、車に問題があると気づいたんじゃないでしょうか。いつフェルスタッペンがいなくなるか分からない状況で、今のままのマシンでは、彼がいなくなった時にどん底の状況になる可能性もある」

意味深な発言もあった王者フェルスタッペン　©Getty Images / Red Bull Content Pool

　来季以降のレッドブル離脱も噂されるフェルスタッペンは、角田と一緒に参加したトークショーで気になる発言をしている。今季がレッドブルとホンダの最終年。ホンダは来季からアストンマーティンと組むことが決まっているが、

「ホンダとはこのチームでは最後になるけど、僕はまだ若いから、これからどうなるかは分からない。とりあえずはサヨナラだけど、それは永遠にお別れっていうわけじゃない」

　と、王者はホンダとの再タッグにも含みを持たせた。

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