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「試合終了は21時すぎ」「ダブルヘッダーはキツい」春高バレー過密日程に高校生の本音は…?「大人が言っても大人が流す」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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posted2025/01/17 17:17

「試合終了は21時すぎ」「ダブルヘッダーはキツい」春高バレー過密日程に高校生の本音は…?「大人が言っても大人が流す」<Number Web> photograph by AFLO SPORT

今年も多くのドラマを生まれた春高バレー

 例年、春高バレーは1回戦から決勝戦までを5日間で消化する。今年度は1月5〜7日の3日間と、11〜12日の2日間に分かれての開催となったが、始業式など学校行事の都合を考慮し5日間連続で行われる年もある。そんな短期決戦が男女ともに同時期に同日程で行われるにもかかわらず、会場は東京体育館のみ。春高のレギュレーションを知らない方々からすれば「どうやって5日間でやってるの?」と不思議に思ってもおかしくない。

 今年の大会はどうだったのか、改めて振り返ってみる。

今年も過酷なダブルヘッダー「1時間後に準々決勝」

 1月5日の開幕日は朝8時から30分ほどの開会式が行われた後、メインアリーナの4コート、サブアリーナの1コートを含めた5コートで試合が繰り広げられた。朝9時30分に第1試合が始まり、それぞれのコートで8試合、計40試合が行われた。2日目(1月6日)も同様に5コートで6試合ないし7試合が行われ、2回戦のすべてが消化された。

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 大きな疑問を感じたのは、大会3日目(1月7日)だ。この日で準決勝に進出する男女4チームが決定するのだが、ベスト8、ベスト4を決める最も重要な試合がダブルヘッダーで行われるのだ。

 第1、2試合で勝利した高校が第5試合の、第3、4試合で勝利した高校が第6試合の準決勝を戦う変則日程。前者の高校では「昼寝をして次の試合に備えることができた」という余裕を見せるチームがある一方で、この日の第4試合でフルセットの末に勝ち抜いた鎮西は、疲労困憊の中で第6試合の準々決勝に登場。シード校にもかかわらず、その間わずか1時間足らず。結局、ストレート負けで4強進出を逃してしまった。鎮西・畑野久雄監督(79歳)は「どんな条件でも戦わなければダメ」と厳しさを見せながらも「それでも選手にとってはきつい試合順だった」と本音を漏らした。鎮西に限らず、毎年のようにフェアであるとは到底言い難いスケジュールがあるのも事実だ。

【次ページ】 「前日まで試合時間がわからない」

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