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「やる気ないなら帰れ!」春高3連覇は“監督ブチギレ”から始まった…高校生がホレる駿台学園データバレー、強さの秘密は“熾烈すぎる競争生活”
posted2025/01/14 17:01
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Sankei Shimbun
春高バレー3連覇を達成した駿台学園高校(東京)。データバレーを駆使したタレント軍団はいかにして頂点に立ったのか。強さの秘密に迫ります。
1月6日、東京体育館。春高バレー2回戦が行われる4面が並ぶコートで、9時30分からの第1試合に備えた練習が始まる。声やボールの音。朝から活気づく会場で、主役はどこにいるのか。一目瞭然だった。男子第1シードの駿台学園の練習が始まったCコートに、補助役員を務める高校生たちが一斉に集まっていたからだ。
高校3冠、春高バレー3連覇が懸かる優勝候補の大本命。
「あの駿台はどんな練習をするのか」
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注目が集まるのも無理なかった。
レシーブ練習が始まれば驚愕し、スパイク練習になれば「えぐっ」と言葉が漏れる。同じ春高を目指した同じ高校生だが、文字通り、羨望の眼差しが注がれる。
憧れ以上に、“絶好のお手本”でもあるからこそ、出場校の選手たちの口から何度も聞いた。
「駿台に勝たなければ日本一になれない。1年間、駿台に勝つことだけを考えて練習してきました」
全チームが掲げた「打倒・駿台」。だが王者は、その壁も軽やかに越えていった。
1セットも与えない完全優勝
初戦の札幌大谷戦から決勝の東福岡戦まで、全5試合で相手に1セットも与えない見事な完全優勝。春高バレーが1月開催になって以後、男女通じて初となる3連覇を達成した。
試合直後の熱が残るコートで、優勝インタビューに立った梅川大介監督は「生徒が泣くと思わなかった」と感極まった後、笑みを浮かべてこう言った。
「3年生を中心に試合を楽しんで、これだけ多くのお客さんの前で実力を発揮した。素晴らしい舞台で、ベストなバレーボールが発揮できたことを嬉しく思います」