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全国高校サッカー選手権のウラで「高卒と大卒、どちらでプロを目指すか問題」危惧と利点「18歳で即戦力は至難の業。進学はロジカルだが…」
posted2024/12/28 17:01
text by
阿部博一/小野ヒデコHirokazu Abe/Hideko Ono
photograph by
Sports Graphic Number
「高卒」か「大卒」か、どちらでプロを目指すべきか?
プロサッカー選手を目指すパスウェイ(※競技者として歩む道筋、進路の選択肢)は多様化していますが、年代軸で考えると、「高卒/大卒のどちらでプロサッカー選手になるべきか?」というのは大きな論点なので取り上げたいと思います。これはサッカー関係者の中でも大きく意見が分かれるトピックです。
私(阿部博一、V・ファーレン長崎の元プロ選手)の場合、「いつでも行ける大学に進学するよりも、できるだけ早くプロサッカー選手になりたい」と考えていました。高卒/大卒いずれかでプロサッカー選手を目指す場合、どのようなポイントを考慮すべきなのでしょうか。
データをもとに考えてみましょう。
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2009年以降は、高卒と大卒選手が同数程度プロサッカー選手になっています。2023年は、計142人のうち、高卒68人(48%)、大卒74人(52%)です。2000年台前半は高卒選手が60~70%を占めていたことを考えると、大卒選手の増加は顕著なトレンドです。
これは既に述べたとおり、J2~3レベルの戦力・組織体制を有する大学があり、かつ、大卒が学位を取得できキャリアの幅を広げてくれるオプションだからです。
出場数ゼロも? 高卒プロが直面する「18歳問題」
サッカー強豪大学には、明治、筑波、早稲田など、学問でも名が知れた大学が数多く含まれます。高校までのサッカー戦績が入学に優位に働き、学業としても名門の大学に進学することができ、その上サッカーレベルもJ2~3相当と考えれば、大学進学という選択は正直とてもロジカルに思えます。